2012年11月16日23時45分
【ウランバートル=野上祐】モンゴルのウランバートルであった日朝の外務省局長級による政府間協議は16日夕、日本人拉致問題などについて「できるだけ早期に次期協議を行う」と合意し、2日間の協議を終えた。北朝鮮はこれまで「拉致問題は解決済み」としてきたが、日朝間の懸案として対話を続けることは認めた。
日本側は杉山晋輔アジア大洋州局長、北朝鮮側は宋日昊(ソンイルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使らが出席。2002年の日朝平壌宣言にのっとり、国交正常化へ両国間の懸案を解決する方針を確認した。日本外務省関係者によると、北朝鮮側から経済制裁の緩和、解除に関する要求はなかったという。
北朝鮮が拉致問題を議題として認めるかが焦点だったが、北朝鮮が再調査を表明した08年の局長級協議もふまえ「さらなる検討」をすることで一致。次回協議開催へ北京の大使館ルートで調整することにした。
北朝鮮の核開発やミサイル問題も議論することで一致。第2次大戦末期に北朝鮮で死亡した日本人の遺骨返還や、朝鮮半島出身者の夫と北朝鮮に渡った日本人妻や日航機「よど号」ハイジャック犯の帰国に、北朝鮮側は協力を表明した。
局長級協議は4年ぶりで金正恩(キムジョンウン)体制では初。野田政権は北朝鮮との対話継続を望んでおり、一定の成果を得た。ただ、拉致問題での北朝鮮の姿勢について、外務省は「協議はしても、解決済みという立場ががらっと変わったとは言えない」(幹部)と慎重にみている。