財政再建案の発表後、厳しい表情で部長らの意見を聴く橋下徹知事(右)=11日午前、大阪府庁、小玉重隆撮影
大阪府の橋下徹知事直轄の改革プロジェクトチーム(PT)は11日、08年度予算で総額1100億円の歳出削減を目指す財政再建案を発表した。私学助成や医療費助成などの事業見直しで400億円、府職員の人件費で300億〜400億円を削減する一方、府有財産の売却などで300億〜400億円の歳入を確保するとしている。小学校35人学級の廃止や警察官の増員解消など、府民の暮らしに直接かかわる施策にも切り込んだ。橋下知事は6月初旬までに最終案をまとめ、7月の臨時議会に提出する予算案に反映させる方針だ。
改革PT案は、この日午前の部長等意見交換会で明らかにされた。橋下知事は「いよいよ賽(さい)は振られた。徹底して府民の議論を巻き起こしてください」とあいさつしたが、各部長からは「削減ありきで理念がない」と批判が噴出。橋下知事が「理念を打ち出していなかったのは私の責任」と認める一幕もあった。
PT案は「収入の範囲内で予算を組む」という橋下知事の方針のもと、9年連続の赤字から脱却する目標を掲げ、借金返済を先送りしてきた「赤字隠し」の手法も今年度からとらないとした。
07年度予算で総額576億円(国費75億円含む)の私学助成見直しでは、学校に配分する経常費助成のうち小中学校で30%、高校・幼稚園で10%をカットし38億円を削減。保護者負担を軽減する「授業料・保育料助成」は09年度から減額する。
04年度から段階的に取り組んできた小学校1、2年生の35人学級編成は今年度で廃止し、増員分の教員を減らす。政令を上回る警察官の定数も来年度以降、解消する。安威川ダムと槇尾川ダムの大型公共事業も本体着工を見送り、歳出抑制効果を狙った。
総額238億円の医療費助成事業の見直しでは、高齢者や障害者、ひとり親家庭、乳幼児を対象にした助成について原則、月1千円の自己負担額を1割負担とすることなどで、計13億6千万円を削減する案を提示した。
市町村に対しても、公共施設整備を支援する施設整備資金貸付金を廃止し、34億円を削減。行財政支援のための振興補助金も半減させ、6億円カット。市町村向け支出の削減は08年度は79億円、09年度は134億円を見込む。
27の府立施設の見直しでは8施設を廃止し、民営化や統合なども含めて6億5千万円を削減。46の出資法人では、16法人を統廃合するなどして補助金や委託料計36億8千万円を減らす。
歳入確保は具体案の積み上げはしなかったものの、府有財産の売却で50億〜100億円、市町村への施設整備貸付金の繰り上げ償還で100億円程度を見込んでいる。
人件費削減については制度設計ができていないとして具体策は明示しなかった。