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どうする児童文学館 解体2億円、残すと年2200万円

2009年12月14日5時45分

 28日に閉館する大阪府立国際児童文学館(吹田市・万博記念公園内)の建物の扱いに、府が苦慮している。利用しないのに建物を残せば、年間2200万円の土地使用料を払わなければならず、解体・撤去するには約2億円かかるからだ。今も閉館に反対する児童文学館側は、閉館後の対応を決めずにいる府の無計画ぶりを批判している。

 橋下徹知事は2008年、財政再建の一環で、運営に年間2億円を支出してきた児童文学館を09年度末で廃止し、所蔵資料を東大阪市にある府立中央図書館に移すと表明した。府は今年度の当初予算に移転関連費用は盛り込んだが、文学館退去後の建物の扱いは決めていなかった。

 文学館の建物は地上2階地下1階建てで、独立行政法人・日本万国博覧会記念機構から借りている約3500平方メートルの敷地に立つ。延べ床面積は約3千平方メートル。約13億円をかけて1984年に完成し、耐震性などの問題はないという。

 府は昨年6月以降、吹田市や万博機構に建物の活用を打診したが断られ、庁内でも利用の手は挙がっていない。11月には、府公文書館(大阪市住吉区)に移転を持ちかけたが、公文書館側は来秋以降に府の部局が移る予定の大阪ワールドトレードセンタービルディング(同市住之江区)への移転を希望した。

 建物を撤去しない場合は、万博機構に年間約2200万円の地代を払わねばならない。ただ、機構からは「建物を撤去し、土地を返して」と言われているという。

 橋下知事は「利用しないのに、使用料を払い続けるわけにはいかない」と話しており、新たな利用者が見つからない場合は2億円をかけて撤去せざるを得ない状況だ。

 だが、府の財政は厳しく、教育委員会の担当課は来年度当初予算案に撤去費を計上するかどうか決めかねている。府幹部は「撤去はもったいない。公文書館が移るよう知事が説得すると思う」と話している。

 一方、児童文学館の向川幹雄館長は「撤去費用がもったいないからと、他の施設を持ってくるのはおかしい」と指摘。「今からでも遅くないから、知事は文学館の廃止を考え直してほしい」と訴えている。(春日芳晃)

     ◇

 〈大阪府立国際児童文学館〉 明治以降の国内外の児童書、雑誌、マンガ、紙芝居など貴重な古書から新刊まで約70万点を所蔵する。廃止への批判は強く、谷川俊太郎氏らが存続を求める署名活動に参加。79年に蔵書約12万点を寄贈した児童文学者の鳥越信氏は3月、府に寄贈本約1200点の返還を求めて大阪地裁に提訴した。

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