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大阪府、君が代条例成立 教職員に起立斉唱義務づけ

2011年6月4日1時10分

写真拡大「君が代条例」が可決されたことについて記者の質問に答える橋下大阪府知事=3日午後8時52分、大阪府庁、矢木隆晴撮影

写真拡大大阪府議会で「君が代条例」が賛成多数で可決された=3日午後7時32分、大阪府庁、伊藤恵里奈撮影

 公立校の教職員に君が代の起立斉唱を義務づける全国初の条例案が3日、大阪府議会(定数109)で成立した。同府の橋下徹知事が率いる「大阪維新の会」府議団が提出。公明、自民、民主、共産の4会派は反対したが、過半数を占める維新の会などの賛成多数で可決された。

 条例は賛成59票、反対48票で成立。自民の1人が退席した。条例名は「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職員による国歌の斉唱に関する条例」。府内の公立小中高校などの学校行事で君が代を斉唱する際、「教職員は起立により斉唱を行うものとする」とした。府立学校など府の施設での日の丸の掲揚も義務化した。

 君が代の斉唱については、都道府県教委はこれまで、各学校に対し国旗・国歌法や学習指導要領などを根拠に起立斉唱を文書で指示。校長が起立を拒む教職員に職務命令を出し、各教委が従わない教員を処分してきた。大阪府教委も2002年から各学校に指示し、大半の教職員は起立斉唱をしているのが実態だ。

 しかし、橋下氏と維新の会は、今春の入学式で府立高校27校で不起立の教員が38人いたことを問題視。「教育公務員も法令や上司の命令に従う立場だとはっきりさせる」と主張し、条例の目的として「我が国と郷土を愛する意識の高揚」に加え、公務員の規律の厳格化を掲げた。

 ただ、条例は「規範を示すもの」と位置づけられ、起立斉唱を拒んだ際の処分などは示していない。特に府内の市町村立の小中学校などについては、「市町村教委の服務監督権を侵すものではない」と条例に明記し、運用は市町村教委に委ねる形を取った。条例だけでは強制力を持たないが、維新側は「(教育現場で)より教員に指導しやすくなる」と説明。さらに処分基準を明確化する「処分条例案」を9月府議会で成立させる考えを示している。

 東京都立高の卒業式で起立を拒んだ元教諭の訴訟では、最高裁は5月30日の判決で、校長の職務命令について思想・良心の自由を「間接的に制約する面がある」と認めつつ、一定の必要性や合理性があれば許容されるとして、憲法に違反しないとの判断を示した。

 処分条例について、橋下氏は「今回の最高裁の判断をもとに、職務命令違反を繰り返せば処分する基準をつくる」と説明。処分の「均衡」を図るとして、君が代の起立斉唱に限定せず、職務命令違反をした府職員や府内の教職員を対象にする方針だ。

 橋下氏は特に、研修や指導を受けても職務命令違反を繰り返した職員は懲戒免職する規定を同条例案に盛り込む考えで、府議会の一部会派は「今回の君が代条例と合わせ、起立斉唱の強制化につながる」と反発。秋に向け条例化の是非が再び議論になりそうだ。

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