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いまだ生き埋め9500人、150時間ぶり女性救出も

2008年5月18日23時41分

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写真がれきの下に埋まっている弟に線香や「紙銭」を手向ける女性=中国四川省北川、池田写す写真中学校で捜索する日本の国際緊急援助隊=18日、四川省北川、樫山晃生撮影図

 【北川(中国四川省)=池田孝昭、阿久津篤史】中国四川省で起きた大地震は18日、発生から7日目を迎えた。死者数は3万2476人、負傷者は22万109人に達した。中国政府は18日、19〜21日の3日間を全国哀悼日とすると発表、上海などで予定していた北京五輪の聖火リレーも中断する。生き埋めのままの被災者は四川省内で9500人余りに上るが、被害の全容はいまだに把握できていない。

 日本の国際緊急援助隊が17日深夜に入った北川チャン族自治県の曲山地区では、がれきの下に埋まっている親族を住民らが捜していた。前夜の雨で蒸し暑さが増し、辺りに腐臭が漂う。山が崩れ、土砂が商店街やアパート、病院をまるごと押しつぶしている。

 「この下に私の弟がいる。まだ見つからないの」。一人の女性が線香を片手にがれきの山を登り始めた。鉄骨がむき出しになったコンクリート、マットレス、ぺしゃんこになったパトカーがある。山の上まで着くと、あの世で使うという「紙銭」を燃やした。

 曲山地区の人口は約3万人。死者は約1千人、行方不明者が1万人に上る。道路わきには、トラックで運ばれた遺体袋が次々に置かれていく。約100体。崩れた路肩から転げ落ちる遺体袋もあった。防疫係が消毒剤をまくと、あとは野ざらしだ。

 劉定美さん(42)は、やかんと、小さなバッグだけを手に、がれきの山から下りてきた。外出中に地震に遭った。「自宅は完全につぶれていた。この山のどこかに兄がいるはず」とぼうぜんとした様子で話した。

 日本の援助隊が捜索した北川第一中学校の現場には、同校でコンピューターを教えていた娘(26)の救出を待ち続ける黄義春さん(50)の姿があった。「地震の前の晩に電話をした。婚約者が決まり、これから婚礼家具を買う話をしたばかりなのに」

 夫と、娘の婚約者と一緒に捜索を見守っている。

 地震発生から時間がたち、生存の望みは薄くなっていく。新華社通信によると、ブンセン県映秀の倒壊した発電所で18日夜、女性従業員が約150時間ぶりに救出されるなど生存者はまだ見つかっているが、同日未明の余震で3人が死亡、ブンセン近くの被災地につながる道路が一時再びふさがれたほか、一部地域への道は不通のままだ。

 四川省政府は18日、地震による山崩れが川をせき止めてできた土砂ダムが21に上ったとし、決壊防止策を強めていることを明らかにした。中国新聞社は同日、成都市の病院にいる被災者30人がガス壊疽(えそ)に感染したと伝えており、二次的な被害の広がりが心配されている。

 日本の援助隊は18日、北川第一中学校で13人、曲山の市街地で1人の遺体を収容した。小泉崇団長は同校の現場で生存者が見つかる可能性は事実上ないと判断。19日からは市街地の捜索に集中する予定だ。

 中国政府が発表した全国哀悼日には、国旗を半旗で掲揚する。地震発生時刻からちょうど1週間の19日午後2時28分には3分間の黙祷(もくとう)をささげ、自動車や列車、船は警笛を鳴らすよう要請する。

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