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投機マネーの制御に踏み出せ

2008年7月9日19時14分

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写真寺島実郎・日本総合研究所会長

◇寺島実郎さん《日本総合研究所会長》

 世界経済は、構造転換を余儀なくされている。そのことが北海道洞爺湖サミットで見えてくるような予感がある。

 日本は戦後、食糧とエネルギーを外部に依存して産業を発展させてきた。世界最大の食糧純輸入国としてバーゲニングパワーを発揮してきたが、空気は一変した。マネーゲームによって食糧、原油価格が高騰し、経済は大きく揺さぶられている。

 先日、ロンドンでヘッジファンドの運用責任者の話を聞いた。運用資金の4分の1は日本から来ているそうだ。超低金利が長く続き、日本の金融資産が海外に流出。食糧、原油の高騰を加速させ、自ら首を絞めている。ブラックジョークだ。日本は被害者という構図ではない。

 世界では、サブプライムローン問題を引き金に金融不安が高まった。欧米の金融当局は、信用不安を恐れて金融を緩和。すると投機マネーが世界を駆けめぐり、物価を上昇させた。インフレ懸念が台頭するが、景気後退が気になり、金利を上げられない。世界経済は身動きがとれず、金縛りにあっている。

 金融不安は、グローバル化の影ともいえる。グローバル化による資本の移動の自由が、実需以上に金融を肥大化させ、サブプライムではじけた。

 サミットの最重要議題は、こうした金融市場の混迷と、地球社会が長期で立ち向かう地球温暖化の問題だろう。金融と環境を両にらみで、どう制御するかが問われている。

 私が考える解決策は二つだ。一つは、450兆ドルともいわれる国境を越えた為替取引に、国際機関が広く薄く「国際連帯税」を課税して、マネーゲームを縛る。税収は、途上国への環境関連技術の移転や、南極や北極の環境対策の財源にする。

 もう一つは、日本としては食糧自給率の向上により原油高騰と温暖化に立ち向かう。自給率が高まれば、輸入時の輸送に伴う燃料消費と二酸化炭素の排出を抑制できる。価格高騰への耐性も強まる。日本が蓄積してきたバイオやナノテクの産業技術を農業に生かす視点も大事だ。

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