マジックが点灯し、盛り上がる阪神ファン=22日夜、阪神甲子園球場、新井義顕撮影
3年ぶりのリーグ優勝をめざす阪神タイガースに22日、マジックナンバーが点灯した。宿敵・巨人を逆転で破っての点灯に、阪神甲子園球場の虎ファンが沸いた。一方で、阪神が勝った日に赤字覚悟のサービスを続ける店や施設は「うれしい半面、あまり勝ちすぎるのも……」と困惑気味だ。
藤川球児投手が最後の打者を三振に抑えると、「M46」と書いたボードを掲げたファンの大歓声が起き、無数のジェット風船が舞った。
4点差をひっくり返した逆転劇を家族や友人と間近で見た大津市の小学2年篠田朱音さん(8)は「マジックってよく知らないけど、今年は絶対優勝すると思う」。大阪市の会社員桂田豊さん(45)は「少しもたついたけど、まずまず順調。北京五輪で主力が抜けるが、選手層は厚いのでしのげるはず」と断言した。
大勢の虎党が集まる大阪市阿倍野区の海鮮料理店「吾作どんアポロ店」では、阪神勝利が決まった直後、店内でテレビ観戦していた客が次々とビールを注文。試合観戦を終えた客も次々と訪れた。
同店は長年、阪神が勝てば1杯550円の生ビールを100円で提供してきた。1勝が貴重だった「ダメ虎」時代から続けているが、18年ぶりに優勝した03年以降、サービスデーが増え、今年はすでに57回も値引きした。
週末の試合で阪神が勝てば約200杯が出るだけに、盛武博司店長(41)は「利益を度外視したサービスですが、正直きつい」と苦笑い。
勝利の日を対象に「猛虎プラン」というシングル宿泊料(現在8千円)の半額サービスを提供する「ホテルニューアルカイック」(兵庫県尼崎市)。現楽天の野村克也監督が阪神の指揮を執った99年に始めた。同プランの利用客は全体の約1割だが、営業担当者は「勝ちすぎは経営にも影響しかねない」。
北京五輪が終わる8月下旬以降に「V奪還セール」を検討していたという「上新電機」(大阪市)の広報担当者も「手に汗握るデッドヒートを経た方がセールが盛り上がるんですが。昔に比べたらぜいたくな悩みです」と話す。
◇
〈マジックナンバー〉 他5球団の自力優勝の可能性がなくなった時に点灯する、優勝するために必要な勝利数。阪神のマジックは現在「46」で、2位以下で最も高い勝率になりうる中日が現時点の対象。中日が残り試合を全勝すると仮定し、阪神が中日と残す直接対決10試合を全敗するとしても、阪神は中日戦以外で46勝すれば、勝率で上回る。