プロ入り初勝利を挙げた阪神の石川=矢木隆晴撮影
(22日、阪神3―2横浜)
146キロの直球が、外角いっぱいに決まった。打席の村田は動けない。5回2死満塁。最大のピンチを見逃し三振で切り抜けた阪神の新人・石川(上武大)が、右手を握りしめて叫んだ。
巨人に3連敗を喫し、首位陥落の可能性もあった大事な一戦がプロ初先発の舞台だった。緊張で硬くなりそうな状況だが、持ち前の強心臓は屈しない。「重圧はあったけど、投げられる喜びの方が強かった」。直球にスライダー、フォークを織り交ぜ、果敢に攻めた。村田の三振の時はセットポジションを解き、渾身(こんしん)の直球を三つ続けた。プロ初勝利に「強い気持ちで投げられたことが一番よかった」と照れ笑いを浮かべた。
先発の台所事情が厳しい中、首脳陣は石川のマウンド度胸を買った。打者22人中、初球ストライクをとったのは13人。中日の井本スコアラーは「ファーストストライクをとれたから、自分らしい投球ができた」と指摘した。大学・社会人ドラフト3巡目で入団した23歳の強気な投球が、チームに大きな白星をもたらした。(野村周平)