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工場内混入、強まる 皮で包んだ後か ギョーザ事件

2008年02月05日03時01分

 メタミドホスの鑑定結果が次々と明らかになった。一度は店頭に並んでいた未開封の冷凍ギョーザの袋の内部からも4日、検出された。これまで農薬成分が確認された製品は流通ルートが異なり、同じ原因で混入・付着したとすれば、その時間や場所は限られる。中国の工場内で汚染されたとの見方が強まっている。

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 大阪府枚方市のスーパーから回収された冷凍ギョーザ。4日の兵庫県警の鑑定で、1袋の内側とギョーザの皮からメタミドホスが検出された。未開封の製品の内部から農薬成分が検出されたのは初めてだ。

 使われた包装は高分子のポリプロピレン製だ。袋の表面からは筋状の傷が見つかったが、水分がしみ込む程度でメタミドホスの混入経路になる可能性は低いと県警はみている。千葉市と千葉県市川市で中毒を引き起こした製品の袋からも穴や傷は確認されていない。

 4日の鑑定では、包装の内側やギョーザの皮から農薬成分が検出されたが、ギョーザの具部分からは出なかった。

 千葉市の家族が食べたギョーザの鑑定結果とも符合する。こちらは皮と具からメタミドホスが検出されたが、濃度は皮の方が高かった。千葉県警は「皮部分にまず付着し、内側へ浸透した」とみている。

 こうした状況から捜査当局は、具を皮で包んで成形した後に汚染されたとの見方を強めている。

 袋が何らかの原因で汚染され、包装された以降に袋からギョーザに移った可能性も否定しきれない。殺虫の目的で行う工場内の燻蒸(くんじょう)は昨年2回実施されたが、事件後、工場を点検した日本生活協同組合連合会は「燻蒸にメタミドホスは使用されていない」としている。

 ■2つのルート、接点は4日間

 農薬成分が検出された2種類の冷凍ギョーザは、中国から日本に運ばれ、兵庫県、大阪府、千葉県と別々の地域に流通していた。二つの製品に接点はあったのか。

 兵庫県と大阪府に流通した「中華deごちそう ひとくち餃子(ギョーザ)」の製造日は10月1日。千葉市、千葉県市川市に流通した「CO・OP 手作り餃子」は同月20日。いずれも製造場所は中国・天洋食品の工場で、具の製造から成形、袋詰め、箱詰めまで1日で行われていた。

 出荷を待つ10月20日から23日までの4日間は、両製品とも同じ工場に保管されていた。段ボールに入った状態で冷凍庫に入れられたという。

 この冷凍庫は四つの区画に区切られ、それぞれの区画には扉があり、鍵で施錠する仕組みになっていた。二つの製品が同じ区画に保管されていたかどうかは、分かっていないという。

 二つの製品の接点はここまで。10月1日製造分が中国・天津の港に運ばれたころには、10月20日製造分はすでに港を離れ、日本に向かっていた。

 二つの製品は大阪・横浜両港に別々に到着。それぞれ関西と関東の倉庫に保管され、各地のスーパーに運ばれた。

 製造過程で混入・付着したとすれば、どのような可能性があるのか。天洋食品はメタミドホスを含む殺虫剤は工場内ではこれまで使用していないと明言している。

 ギョーザ輸入元のジェイティフーズの親会社・日本たばこ産業(JT)の日野三代春・執行委員も4日の会見で「工場内にはメタミドホスはなかった」と話した。製造室内での害虫対策は、ハエたたきなどで対応しているという。また、製造工程では専門の職員が衛生状態を巡視し、ギョーザを袋詰めにする前後の2回、金属探知機やX線探知機で異物混入の有無を調べていたという。

 捜査当局は中国側での混入の見方を強めているものの、国内で混入された可能性がないかについても慎重に調べている。これまでに両県警が検出したメタミドホスを含む物質が、同一の成分かどうかも詳しく調べる。

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