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薬物、外から浸透「ありえない」 袋2層、専門家指摘 

2008年02月08日08時00分

 密封された包装の内側が「メタミドホス」で汚染されていた。中国・天洋食品製の冷凍ギョーザによる中毒事件で、兵庫県警が7日、発表した鑑定結果は、包装材の製造からギョーザの袋詰め段階までの中国国内で、農薬成分が付着・混入した疑いを色濃く示す「新証拠」だった。残る「謎」の解明に向け、警察当局は分析を急いでいる。

表

メタミドホスが検出された天洋食品製冷凍ギョーザの汚染状況

 今回の鑑定対象は、大阪府枚方市のスーパー「ハッピース枚方」から輸入仲介商社「双日食料」が回収した未開封の2袋。うち1袋は、包装に穴が開いていないのに、内側からメタミドホスが検出された。

 包装の外側から内側にメタミドホスが浸透することはあるのか――。

 国立医薬品食品衛生研究所毒性部は「においが移りやすい冷凍庫で保管される冷凍食品の包装は、においを通さないことが重要で、多層のラミネート構造になっている。農薬と比較にならないほど、分子が小さいにおい成分すら通さないのに、メタミドホスが浸透するとは通常は考えられない」という。

 包装材を製造し、天洋食品に納入したのは、中国の「東洋製袋(蘇州)有限公司」。親会社の包装資材メーカー、東タイ(東京都台東区)によると、袋は厚さ約0.05ミリのポリプロピレン製で、170度の高温や圧力に耐えられる2層構造だった。

 今回の2袋は、いずれも包装の外側からも成分が検出される一方で、ギョーザ自体からは検出されなかった。千葉県警の鑑定でも袋から検出されている。メタミドホスは天洋食品の工場で混入したのではなく、その前の段階、東洋製袋での包装材製造時に付着した可能性はないのか――。

 東タイは「製造工程でも、殺虫剤としても、包装材の工場ではメタミドホスを使っていない」と断言する。天洋食品の工場でも、袋詰めの直前に包装材の状態をチェックしているという。

 ではなぜ、ギョーザから検出されなかったのか――。

 鑑定したギョーザは、凍結が解けて腐敗した状態だった。農薬毒性学が専門の本山直樹・千葉大大学院教授は「有機リン系の農薬は低温では安定しているが、水や熱を加えると分解しやすいうえ、微生物が分解することもある」と話す。

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