現在位置:asahi.com>ニュース特集>ギョーザ薬物混入> 記事

メタミドホス 中国の業者「ヤミで生産」

2008年03月06日17時01分

 中国製冷凍ギョーザの中毒事件で、商品に混入していた有機リン系農薬成分「メタミドホス」が、中国内で全面禁止となった08年1月以降も違法に生産、販売されている実態を複数の業者が証言した。中国当局は「法律で生産・販売が禁止されており入手不可能」としているが、実際にはヤミで流通していることをうかがわせる。

 2月末、河北省農薬・農業機械見本市が開かれた石家荘市中心部にある国際博覧センター前の露地には、100人以上の業者が所狭しと農薬や化学肥料を並べていた。いずれも見本市に便乗して農薬を販売する個人業者だ。ギョーザ製造元の天洋食品から数キロしか離れておらず、事件を調べる河北省政府や公安庁は目と鼻の先だ。

 「劇物農薬も安くするよ」。見本市会場に入ろうとすると、十数人の男性が群がり、チラシをつかまされた。その1枚が目にとまった。

 「50%メタミドホス 500ミリリットル×20瓶 120元(約1800円)」

 業者の男性が「どれだけほしいんだ」と低い声でささやいてきた。「違法行為では」とためらうと、間髪入れずに「みんなやっているから心配するな。4000瓶をまとめ買いしたら2000元(約3万円)割引するぞ」。

 この男性は河南省の農薬業者で、小さな自社工場で主に「50%の濃度のメタミドホスをひそかに製造している」と話した。チラシを配布、客から携帯電話に注文を受け、銀行に代金が振り込まれたのを確認してから発送するという。

 「メタミドホスが嫌なら、こちらの農薬が毒性が強くてよく効く」。勧められたのは「ホレート」。中国山東省の日系企業が製造した冷凍食品から検出された有機リン系農薬だ。

 同じく見本市前にいた江蘇省の農薬業者も、メタミドホスを「ヤミで生産・販売している」と言った。全国に顧客がおり、「安くて殺虫効果が高いメタミドホスは人気が高く生産が追いつかない」と打ち明ける。首都から離れるほど農薬の取り締まりも緩く、河南省や江蘇省では製造する業者が多いという。

 しばらくして、河南省の業者から携帯電話にかかってきた。メタミドホスの生産が禁止されて以降、偽造品が出回っているから注意するように、との忠告だった。「うちのは純正品ばかり。まず1ケースを送るから品質の高さを確認してみて」

この記事の関連情報をアサヒ・コム内から検索する

PR情報

このページのトップに戻る