現在位置:asahi.com>ニュース特集>ギョーザ薬物混入> 記事 ギョーザ事件 JT食品事業、大幅減益の深い傷2008年05月02日01時11分 日本たばこ産業(JT)が1日発表した08年3月期連結決算は、連結売上高、営業利益とも過去最高を更新した。ただ、今年1月に子会社が販売した中国製冷凍ギョーザで中毒事件が発覚したため、食品事業は大幅な減益。同事業の立て直しと信頼の回復には時間がかかりそうで、ほかの冷食メーカーも影響をぬぐえないままだ。
■3月期、好調決算の足引っ張る 「JTの冷凍食品事業は極めて深刻な状況が続く」。木村宏社長は会見で話した。 JT単体の冷食事業の売上高は前期比27億円減の317億円。冷食を含む「食品事業」の営業利益は、子会社化した加ト吉の1〜3月分を含めて前期比90.1%減の6億円で、かろうじて利益を確保した。 JTがギョーザ事件の影響を分析したところ、2〜3月は加ト吉を含む食品事業の売上高が見込みより63億円減少、営業利益は14億円の減少だったという。ギョーザ回収のための消費者への告知など回収コストが膨らみ、56億円の損失も計上した。 事件直後から、JT製品は大手スーパーで軒並み撤去され、2月の家庭用冷食の売上高は前年同月比90%減。業務用を含めると4月は同50%減程度まで回復したが、委託も含めた海外・国内の約50工場では大幅な減産に追い込まれている。 木村社長は「秋ごろまでJTの商品が店に並ぶのは極めて難しい」。今年度の食品事業でも事件は220億円の減収要因となり、同事業は40億円の営業赤字を見込む。 事件で遅れていたJTの加工食品子会社の加ト吉への事業統合は、7月に株式譲渡を行い、今年度中に事業統合を終える方針だ。 売上高の9割以上を占めるたばこ事業を含めたJTの08年3月期の連結売上高は、英ギャラハー社の買収などにより前期比34.4%増の6兆4097億円。営業利益は29.7%増の4305億円で増収増益だった。 ■冷凍各社、減産続く ギョーザ中毒事件の発覚から約3カ月たつが、冷凍食品メーカー各社の冷食の売上高は事件直後の落ち込みから回復しきれていない。 味の素は2月に前年同月の約70%まで落ち込み「最近になっても回復はわずか」(広報)。JT子会社の加ト吉やニチレイ、日本水産も同1〜2割の減で、各社とも落ち込みに応じた減産を続ける。 財団法人・流通システム開発センターの調査でも、スーパーなど冷凍調理食品の販売額は事件直前の1月末を100とすると、2月上旬は56に落ち込み、3月上旬は67、4月上旬でも87にとどまる。 事件の原因究明が進まず、中国製品を敬遠する消費者心理が回復を遅らせている。日本水産は「春巻きやシューマイも売れ行きが悪い。中国産の比率が高い冷凍野菜の枝豆もだ」という。 材料の原産地を自社ホームページで掲載する取り組みも業界で広がるが、多くの商品に「中国産」と書かざるを得ない。透明性を高めても、売れ行きの伸びにはつながりにくいのが現状だ。07年度に加え、「今期も業績に悪影響がでそうだ」(冷食大手)との声もある。(五十嵐大介、清井聡) PR情報この記事の関連情報ギョーザ薬物混入
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