閣議のため首相官邸に入る太田農水相=2日午前、東京都千代田区、林敏行撮影
閣議後の会見を終えた野田消費者行政担当相=2日午前、東京都千代田区、川村直子撮影
資料を見ながら会見場に入る二階経産相=2日午前、東京都千代田区、久松弘樹撮影
閣議後の会見をする斉藤環境相=2日午前、東京都千代田区、相場郁朗撮影
福田改造内閣が発足してからわずか1カ月。国会を一度も開くことなく、首相は政権を投げ出した。就任したばかりの新閣僚たちは、トップの辞任表明から一夜明けた2日午前、閣議後の記者会見で「残念」「残りの任務を果たすだけ」と落胆の表情を見せた。一方、衆院選をほぼ1年以内に控え、自公両党の国会議員や地方組織には、首相が相次いで政権運営を放棄した影響への不安が広がる。
「大変、驚くばかり。どういうご判断だったかは総理の判断」
8月2日の就任直後から、自らの発言や事務所費問題への釈明に追われた太田農林水産相は、福田首相の退陣表明の感想を短く語った。
自身の責任については、「総理のみが知ること。私が言うべきじゃない」と一言。多くを語らなかった。
閣議後の記者会見は、この日がわずかに7回目。このうち、3、4回目は、食の安全対策について「消費者がやかましいから徹底していく」としたテレビ番組での発言の弁明に追われた。5、6回目は、新たに浮上した事務所費問題に質問が集中した。「農水大臣でなくても農水に貢献できる。そういう気持ちでやっていきたい」と未練もにじませた。
改造内閣は、安倍政権の閣僚を引き継ぐ形で政権発足させた福田首相が、初めてつくった「自前の内閣」だった。
力を入れた一つは、消費者行政を一元化する消費者庁の創設。野田消費者行政担当相は「ゴール目前と言いますか、法案もほぼできあがり、予算なども順調に進んでいくなか、発案者はまさに福田総理だったので非常に無念」と言った。
今期限りでの政界引退を決めながら、初入閣を果たした鈴木文部科学相は「驚愕(きょうがく)の一語に尽きます」。就任時には「来年度の予算編成に向けた作業で、私の力量が試されると思っている」と意気込みを見せていたが、トップが辞任し、先行きは不透明に。「職務はこれまで以上に励まなければならないのは当然。そこは微動だにしておりません」
同じ初入閣組の林国家公安委員長は「始めたばかりでこれからだったので、正直、ちょっと残念だったかなと思っていますが、致し方ないことなので次の内閣が決まるまで、懸命に取り組む」と話した。不祥事が続いた防衛省は、防衛省改革会議が7月にまとめた提言を受け、組織再編を進めようとした矢先。林防衛相も、福田首相が去ることになったことについて「残念」と語った。
00年に初めて法相を務めた時も、森元首相の辞任により、約5カ月で辞任した保岡法相。「司法制度改革を始めた保岡だから責任を取って、と言われて、就任したのは1カ月前ですから」と寂しげに笑った。裁判官出身で、司法改革の先導者として知られる。最後は「将来の日本に司法制度改革を定着できるように、責任を最後まで全うしてまいりたい」と声を強めた。
ベテラン組は、淡々と受け止めた。昨晩、自宅のテレビで首相の会見を見たという谷垣国土交通相は、道路特定財源の一般財源化の肉付けが中途半端なままである点について「我々の仕事はいつ、どういうことが起こるか図りがたい。十分に責任を果たさず去らなければならない」。
与謝野経済財政相は「内閣は生き物と一緒で、ある日パタッと命がなくなるということはあり得る。首相が政権を放り出したというより、内閣としての寿命が来たのだと思っている」と語った。
今後の政局をにらんだ発言も。二階経済産業相は「当省が関与するファッション、映画、アニメに今後、いっそう力を注いでいかなければいけない。我が国の文化そのものの発展のために、懸命の努力をする」と、自民党総裁選への立候補の意向を表明した「漫画通」の麻生幹事長を意識したかのようだった。
「連立の枠組みは揺るぎません」。公明党から唯一入閣する斉藤環境相は言い切った。「政党が違うので考え方は違うが、福田政権を浮揚させる精神でやってきた」と、公明党との関係悪化が福田首相の辞任表明につながったとの見方を否定した。
舛添厚生労働相は、総裁選への立候補について問われ、「全く考えておりません。今は仕事を一生懸命やるに尽きる。今は医療崩壊や介護の問題が山積している」と強調した。