自民党の麻生太郎幹事長が打ち出す政権公約「日本の底力―強くて明るい日本をつくる」の全容が明らかになった。「日本経済は全治3年」との認識を示し、「未来を見据えた景気対策」を第一に掲げた。具体的には、定額減税や政策減税の実施、規制改革や先端技術開発の加速などを挙げた。
「全治3年」は、福田首相の父の故赳夫元首相が蔵相時代、第1次石油危機に見舞われた日本経済を評した言葉。公約では「短期集中・重点特化型の立て直し」を行うと宣言、「財政再建路線を守りつつ、弾力的に対応する」とした。ただ、選択肢のひとつとして言及してきた、2011年度に基礎的財政収支を黒字化するとの財政再建目標の先送りには触れていない。
「当面のひずみを正し、グローバル競争の中、駆け抜ける脚力を鍛え直す」とも述べ、小泉首相以来の構造改革路線の負の側面に対応しつつ、日本の成長力を引き上げる考えを示す。
麻生氏は今年2月、消費税を段階的に10%まで引き上げて基礎年金の財源に充てるとの提言を発表しているが、公約では「安定的な年金財源を確保するため、国民的議論をすすめる」と触れるにとどめる。
景気対策と並ぶ「緊急課題」としては、福田首相の看板政策だった消費者庁の創設を含む暮らしの不安解消策を掲げる。「テロとの戦い」についても「逃げるという選択は日本にあり得ません」と述べる。外交では、拉致問題の解決も挙げる。
また、「逃げない政治、責任もって実行する政治」の実現に「一身を賭す」と表明。解散総選挙に勝ち抜くことで政策実現を図る意欲を示唆する。
日本の将来ビジョンとしては(1)安心できる社会(2)活力ある高齢社会(3)元気な地域(4)世界に開かれた国――を掲げ、最低賃金の引き上げやワーキングプア(働く貧困層)への支援などを盛り込む。