物質とクォーク
私たちの身の回りのあらゆる物質を構成している最小要素は何なのか。
18世紀から19世紀にかけては、水素や炭素、酸素といった元素・原子が根源と考えられていた。しかし、この考え方が確立した後も、究極の素粒子を追い求める動きは絶えなかった。
19世紀末から20世紀前半にかけて、原子には中心にほとんどすべての質量を占める原子核があり、周囲にはマイナスの電気を帯びた電子が回っていることがわかってきた。
さらに、原子核はプラスの電気を帯びた陽子と電気を帯びていない中性子からできていることが判明した。
20世紀後半に入って実験技術が進歩すると、陽子や中性子、電子の仲間と見られる微粒子が100種類以上も見つかり、素粒子の概念も変更を余儀なくされた。
現在では、陽子や中性子はクォークと呼ばれる基本粒子が合わさってできた複合粒子で、クォークは6種類あることがわかっている。
素粒子物理学は、宇宙の起源を解明する宇宙物理学の基礎にもなっている。クォークや電子といった基本粒子は約140億年前、宇宙誕生の際の大爆発(ビッグバン)による大きなエネルギーが生み出したと考えられている。
究極の素粒子の本質を探る研究は、いまなお続く。物質がなぜ質量をもつのかを説明する理論も、実験で証明されたわけではない。
今年9月に始動した欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が、こうした謎に迫ると期待されている。