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「やり始めたら、やめたらダメよ」下村さん、子たちへ

2008年10月9日11時38分

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写真受賞決定から半日たって朝日新聞の取材に応じる下村脩さん=8日午後、米マサチューセッツ州のウッズホール海洋生物学研究所、勝田敏彦撮影

 【ウッズホール(米マサチューセッツ州)=勝田敏彦】「子どもたちにはどんどん興味を持ったことをやらせてあげて。やり始めたら、やめたらダメですよ」。蛍光たんぱく質の発見でノーベル化学賞受賞が決まった下村脩(おさむ)さん(80)は米東部時間8日(日本時間9日未明)、子どもたちへの思いを熱く語った。01年まで勤務していた自宅近くの米ウッズホール海洋生物学研究所で、朝日新聞の取材に応じた。

 下村さんの息子・努さんは、コンピューターセキュリティーの専門家。ハッカー摘発に協力するなど米国ではよく知られている。

 「息子は(自分をあまり宣伝しない)私と同じで、(ノーベル賞学者の子として)有名になるのは好きでない」としつつ、「私も人のできないことをやったが、彼も人ができないことをやった。偉いと思う」と笑みをこぼした。

 幼いころ、努さんはいろんなことに興味を持っていたという。自分の研究姿勢と二重写しにしながら、「子どもにはどんどん興味を募らせてあげなさい。興味があるうちにやらせなさい。そして子どもがやり始めたら、やめさせたらだめです」と、「下村流子育て術」を披露した。

 受賞決定直後から、電話や訪問してきた報道陣への対応で大わらわ。「半日間、しゃべりっぱなし。思った以上に大変ですが、一生にいっぺんのことだと思ってやってますよ」と一言一言、丁寧に応じた。

 下村さんは「受賞するとすれば医学生理学賞だろう」と考えていた。受賞の報に驚いたそうだが、「これまでの受賞者は、京大とか東大とか旧帝国大学の出身がほとんど。(私は旧長崎医科大付属薬学専門部の出身だが)『いい学校に行かなかったから、いい研究ができなかった』なんてそんな考え方はやめてほしいね」と語気を強めた。

 在米生活が40年を超す頭脳流出組の一人である下村さんは米国籍を取らなかった。「私は日本人。今さらアメリカ人になる必要はないね。ただ、一つだけ惜しいと思うのは選挙権がないこと。一度、アメリカの選挙をやってみたかった」と話した。

    ◇

 下村さんは9日、朝日新聞東京本社に集まった国内の研究者と国際電話で座談会に臨んだ。座談会の詳報は10日付の朝刊に掲載の予定。

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