現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. ノーベル賞
  5. 記事

ノーベル経済学賞、クルーグマン氏 国際貿易で新理論

2008年10月14日15時12分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真ポール・クルーグマン氏

 スウェーデン王立科学アカデミーは13日、今年のノーベル経済学賞を米プリンストン大教授のポール・クルーグマン氏(55)に贈ると発表した。自由貿易とグローバル化が経済に与える影響を説明した新理論が授賞理由だ。

 研究活動以外でも、リベラル派の論客として、担当するニューヨーク・タイムズ紙のコラムなどでブッシュ政権批判を繰り返してきた。日本のバブル崩壊後、デフレ脱却のために日本銀行が「インフレ目標」を定めるよう提案したことでも知られる。

 クルーグマン氏は、伝統的な国際貿易論に「規模が大きいほど生産性が高まる」「消費者は多様性を好む」といった概念を取り入れた。これにより、地場の小規模な製造業が、世界市場向けに大量生産する大手に取って代わられる現象を説明。都市への人口集中と周辺地域の過疎化が起きる仕組みも分析した。

 政治的発言も積極的だ。レーガン政権以降の米共和党政権が、高所得者への減税を拡大する一方で福祉を削減し、格差を広げたと指摘。米国が経常赤字を膨らませつつ世界中のマネーを吸い上げて繁栄する構図について、現在の金融危機が深刻化する以前から「(1929年に始まった)世界恐慌前夜に似ている」と警告していた。「グローバル経済を動かす愚かな人々」など著書も多い。

 授賞式は12月10日にストックホルムで。賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億4千万円)。(庄司将晃)

     ◇

 ポール・クルーグマン氏 1953年生まれ。米マサチューセッツ工科大で博士号を取得。同大教授、スタンフォード大教授などを歴任した。00年から現職。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内