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ノーベル平和賞のユヌス氏「日本企業に社会貢献期待」

2009年1月6日3時3分

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写真ムハマド・ユヌス氏

 貧困層への少額融資制度で知られる世界的な経済学者ムハマド・ユヌス氏が朝日新聞記者とのインタビューに応じた。国際金融危機では直撃を受けた最貧困層の救済を最優先すべきだと主張。自らが提唱する社会貢献を最優先にする新企業モデル「ソーシャル・ビジネス」(社会的企業)への参加を日本企業にも呼びかけた。

 バングラデシュで無担保少額融資制度(マイクロクレジット)を創設し、06年にノーベル平和賞を受賞したユヌス氏は、昨年の金融危機、食糧危機などで「最も影響を受けたのは貧困層だ」と指摘。「利益の最大化を目的とするビジネスだけに市場を使ってきた経済システムの再設計が必要だ」と語り、グローバル化や資本主義の現状に疑問を投げかけた。

 その上で「人間が持つ利己的な部分だけでなく、無私の部分も市場に持ち込めば、資本主義は完成する」と述べ、貧困や環境問題の新たな解決策として新たに提唱した社会貢献目的の企業モデル、社会的企業の活用に言及。「日本の企業には、社会貢献のための基金がある。慈善事業に使っていた基金を、このモデルに使って欲しい」と参加を求めた。

 同モデルでは、投資家は、特定の社会問題の解決を目的に企業に投資。企業からは元本だけを返済してもらい、配当を受ける代わりに、社会貢献をしたという「満足」を得る。収益が出れば、ビジネスの改善と拡大に使われる。

 ユヌス氏は「利益の最大化を夢見る眼鏡を外し、社会的企業の眼鏡をかければ、世界が全く違って見えるだろう」と語った。

 ユヌス氏が総裁を務めるグラミン銀行のグループ企業はすでに、乳製品の仏大手ダノンや世界最大の仏水道事業会社ベオリアとの合弁で栄養価の高い安価なヨーグルトの販売や安全な飲料水の提供にあたる複数の会社を設立した。仏企業側とは、これらの事業から利益を得ないことで合意しているという。(ダッカ=小暮哲夫)

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