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「殺すのか」伊藤さん何度も質問 アフガンで容疑者語る

2008年9月10日15時7分

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写真インタビューに応じるアディル・シャー容疑者=9日、ジャララバード、四倉写す

 【ジャララバード(アフガニスタン東部)=四倉幹木】アフガニスタン東部で日本のNGO「ペシャワール会」(本部・福岡市)の伊藤和也さん(当時31)が先月末、拉致、殺害された事件でアフガン当局に逮捕、拘束されているアディル・シャー容疑者が9日、朝日新聞の単独取材に応じた。動機について「金目当てだった」と政治的な意図を否定し、拉致から殺害までの状況を明らかにした。

 同容疑者は先月26日、伊藤さんを拉致した4人組のうち唯一、逮捕された。拘束されているジャララバードでメディアの取材に初めて応じた。

 同容疑者によると、自身は隣国パキスタンの首都イスラマバード近郊で生まれ、地元のマドラサ(イスラム神学校)に通っていた。年齢は「21歳ぐらい」。タクシー運転手の父親は、拉致現場に近い地域出身のアフガン難民だという。

 先月初めから学校の休暇で父親の出身地を1人で訪れ、事件前日の夕方、アフガン出身で同じマドラサに通うアフマドという男に偶然会い、犯行を持ちかけられた。「この近くに日本人の技師がいる。誘拐すれば金になる」

 その夜のうちにアフマドを含む仲間3人と拉致現場近くの廃屋に潜み、翌朝、すぐ脇の道を車で通りかかった伊藤さんらを襲ったという。

 伊藤さんは自分のスカーフで両手を縛られ、野原や山道を3時間以上、歩かされた。

 伊藤さんはおびえた様子で「殺すつもりか」と現地語で何度も聞いた。4人組の1人が「殺すつもりはない」と答えると、落ち着きを取り戻したという。

 アフマドが伊藤さんらの隠し場所に選んだ岩山に登り始めて1時間ほどたった午前10時ごろ、付近の村人たちと警官隊がふもとを取り囲んでいるのに気づいた。1、2発、下から撃たれたような銃声を聞いた。アフマドが「日本人を殺そう」と叫びざまにカラシニコフ銃で伊藤さんを撃った。少し離れていた同容疑者は、伊藤さんがその場で倒れるのを見た。伊藤さんは銃創のほかに打撲らしい傷を負っていたが、同容疑者は伊藤さんが転げ落ちるのは見なかったという。

 同容疑者は「金目当てだったのでアフマドが撃ったのには驚いた」。その後、仲間を見失い、自分だけ捕まった。

 同容疑者は「日本人を見たのは事件の日が初めて。日本がどこにあるかもよく知らない。金が欲しかっただけだ。自分は単なる学生で(反政府勢力)タリバーンと関係はないが、アフマドがどこかの組織に関係しているかは知らない」と話した。

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