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再生誓ったばかりなのに…相撲界また激震 八百長問題

2011年2月2日16時28分

写真緊急理事会に向かう日本相撲協会の放駒理事長(手前)=2日午後0時54分、東京・両国の国技館、高橋雄大撮影

写真「八百長メール問題」で、国技館前には報道陣が集まった=2日午前8時58分、東京・両国、水野義則撮影

 「今度はこちらをよろしく」「二つ貸したから一つ返して」――。大相撲の野球賭博事件の捜査の中で発見された、八百長をうかがわせるメール。少なくとも十数人の力士が関与したとみられる。暴行死、大麻、野球賭博など様々な醜聞からの再生を誓った相撲界は、再び激震に襲われた。

 「警察や文部科学省からは何も聞いていない」「報道があったということしかわからないので、これから情報収集して対策を考えます」

 日本相撲協会の放駒理事長(元大関・魁傑)は2日朝、東京都杉並区にある自分の相撲部屋の前で、集まった報道陣に述べた。緊急理事会で、事実関係を調査する特別委員会を設置する方向で検討を始めた。

 多くの相撲部屋では、この日もいつも通り早朝から力士たちが稽古した。野球賭博に関与し、昨年の名古屋場所で謹慎処分を受けた力士を出した部屋では、ある関取が「何も知りません」と険しい表情を浮かべた。

 3月に春場所が開かれる大阪。各部屋に宿舎を提供している支援者らは、八百長のニュースに落胆した。

 10年前から宿舎・稽古場を提供している堺市の神社の男性職員(51)は、神社の敷地内に作られた土俵で、必死に稽古する力士の姿を見てきた。「相撲人気が持ち直しているのに、こんな報道が出て残念」と話す。

 一方、力士十数人を受け入れている宿舎で働く男性(50)は「疑惑は昔から言われ続けていた。やっぱり八百長していたんだなと思った」と話した。「一部の力士の行為が角界全体を汚している」

 約10年前から宿舎を提供している大阪市内の神社の宮司(57)は「若い力士の稽古での真剣な様子を見ていると、本場所での八百長は考えられない」という。「巡業やトーナメントなどの『花相撲』をめぐるメールではないか。本場所での話とすれば、協会は徹底的に調べ、ウミをすべて出し切らないといけない」

 春場所の切符を扱う相撲案内所(相撲茶屋)の関係者は「ただでさえ不景気で例年より予約状況が厳しいのに、こんな不祥事で追い打ちをかけられるようなことになったら」と困惑した。

 大相撲の八百長疑惑は、元力士の発言や週刊誌報道などで、これまでもたびたび浮上してきた。

 2000年には、元小結・板井の板井圭介氏が、日本外国特派員協会の講演で、十数人の力士の実名を挙げながら、自分が現役だった時に「1日に3〜6番の八百長があった」と発言。相撲協会側は「そのような事実はなかった」として、板井氏に発言の撤回と謝罪を求めた。

 07年には「週刊現代」が、北の湖元理事長や元横綱朝青龍関が現役時代に八百長に関与したとする記事を載せた。

 協会は、該当する力士らから事情を聴いたが全員が否定。元朝青龍関ら力士30人と相撲協会は、発行元の講談社側に約6億2千万円の損害賠償や謝罪広告の掲載を求める民事訴訟を起こした。

 一、二審では「取材は極めてずさんというほかない」などとして名誉毀損(きそん)を認定し、協会側が勝訴。その後、最高裁が講談社側の上告を棄却し、3960万円の賠償を命じた高裁判決が確定した。

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