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「裁判員、話し合ってるかい?」判事ロックバンドでPR

2009年5月22日17時8分

写真裁判官らでつくるロックバンドのザ・シークレッツ。裁判員制度開始を前に「スタートライン」の練習に熱が入る=20日夜、福岡市中央区、金子淳撮影

 福岡高裁の裁判官や職員らでつくる5人組のロックバンドが、裁判員制度のPR曲「スタートライン」をつくった。前向きな気持ちで市民も参加してほしい、との思いを込めた。被告の人生を左右する判断を迫られる裁判員の立場に不安を抱く声もあるが、メンバーは「ありのままの意見を」と呼びかけている。

 バンドの名前は「ザ・シークレッツ」。メンバーはボーカルを務める福岡高裁事務局長の裁判官、平田豊さん(50)のほか、同高裁と福岡地裁、佐賀地裁の書記官らだ。

 平田さんはビートルズと出会って音楽に熱中した。裁判官になってからも任地でバンドをつくり、07年2月の福岡高裁赴任後にこのバンドを結成。職員の結婚式でオリジナル曲を披露してきた。

 スタートラインの作詞作曲は平田さん。結婚式後の打ち上げで「裁判員制度の曲をつくろう」と盛り上がったのがきっかけだ。

 曲は知り合ってから時間のたった男女の心情描写から始まる。

このごろ僕らは

どこかちぐはぐで

交わす言葉さえ

シニカルですれ違い

 恋愛の形で表現したかったのは、この距離感がそのまま、裁判員制度以前の「市民」と「裁判所」にあてはまると感じたからだという。

 平田さんは「『裁判官は世間知らず』とよく言われるが、そういう認識が広がったのは裁判所にも責任がある」という。「評議などでお互いが向き合う裁判員制度を機に、これまでの関係も変わってほしい」

忙しい日々の中で

不安もあるけど

今は前を向いて

進んでみよう

立ち止まっては

nothin’ gonna change the world

 市民の裁判員裁判への参加意欲は、必ずしも高くない。最高裁の昨年初めの調査では、「参加したい」と積極的な意欲を示した市民は15.5%。それでも平田さんは「罪を犯せばどうなるのか、罪を犯す人にどのような背景があるのか。主体的にかかわれば社会への関心も高まるなど、いい影響がある」と訴える。

 アップテンポなポップス調の曲は終盤、こう語りかける。

感じるままに

話をしよう

さぁ始まりさ

一緒に進もう

新しい歴史を作ろう

 「本音を出し合い、いい裁判をやっていこう」。平田さんが曲に込めた思いだ。

 平田さんたちは、市民の要望があれば、どこかで曲を披露したいと考えている。(山本亮介)

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