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精神科医2人論戦 責任能力争点、わかりやすさ課題

2008年02月27日

 被告の責任能力が争点となる裁判で、精神鑑定をした医師の意見を市民は理解できるか――。来春始まる裁判員制度に向け、東京地裁は26日、精神科医2人に出廷を求めて同時に質問を進める「対質(たいしつ)」と呼ばれる形式を模擬裁判で試みた。

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2人の鑑定医が同時に証言台に立って質問を受ける「対質」を取り入れた模擬裁判=26日、東京地裁で、代表撮影

 審理された架空の事件は、レンタカー店から借りた車を返さず、自分のものと思いこんだ統合失調症の男が、車を回収した店の従業員を刺殺したという内容。起訴前に簡易鑑定し、「心神耗弱」の意見を出した医師と、公判での鑑定で「心神喪失」の意見を出した医師が、裁判官と裁判員に向かって並んだ。

 2人の医師は「心神耗弱」や「心神喪失」という法律用語は極力使わず、「精神の障害に完全に支配されていたかどうか」という観点から説明を試みた。

 しかし、裁判所、検察側、弁護側が順に質問し、同じ質問が繰り返されることも。「犯行当時の感情のコントロール能力」など内容はやはり専門的な用語が多く、裁判長が「もう少し分かりやすい言葉で」と口をはさむ場面もあった。

 休憩を挟みながら約4時間半に及んだ証人尋問の後、鑑定医役の医師は「専門的な論争になると、裁判員がついてこられるのか悩ましい」と語った。裁判員役を務めた市民は「分かりやすく工夫されていたが、それぞれの医師に立場があり、どちらが正しいかを判断することは難しいと思う」と感想を述べた。

 東京地裁では、東京・渋谷で夫を殺害し、遺体を切断したとして殺人などの罪に問われた三橋歌織被告(33)の公判でも3月10日、精神科医2人に対して質問する方式を実施する予定だ。

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