現在位置:asahi.com>ニュース特集>次世代DVD> 記事 東芝のHD―DVD撤退検討、利用者はどうなる?2008年02月18日08時57分 東芝が次世代DVD「HD―DVD」の生産・販売からの撤退も含めた事業の抜本的な見直しに入ったことで、次世代規格はソニーや松下電器産業が推進する「ブルーレイ・ディスク(BD)」に統一される見通しとなった。国内の映像ソフトの制作・流通現場は、BD普及へ弾みがつくと期待を高める。一方で、東芝の対応次第では、HD―DVD機器の利用者が不便を余儀なくされる可能性もある。
東芝は週内にも事業の見直しについて発表する。HD―DVD機器を購入済みの顧客への追加的なアフターサービスが必要となるほか、今後はBD対応機器の販売も検討するとみられる。 映像ソフト制作の関係者は「次世代DVDソフトに関しては様子見が多かったが、BDへの一本化で対応が本格化するだろう」と話す。次世代DVDが本格普及期に入る前に規格が一本化されれば、機器の買い替えが円滑に進み、ソフトを投入しやすいからだ。 ソフトのレンタル業者にとっても、規格の一本化で、仕入れや在庫管理が効率的になる。最大手レンタルチェーンのTSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブは、08年度を「高画質対応の年」(増田宗昭社長)としており、統一は追い風だ。 一方で、すでにHD―DVD機器を購入した人は、不便を余儀なくされそうだ。 東芝は06年3月にHD―DVD規格のプレーヤーを発売し、その後、レコーダーや搭載パソコンも国内市場に投入してきた。これまでの販売台数は明らかにしていない。 ここにきて映画大手が相次いでBD陣営につき、HD―DVD規格の新作映像ソフトは次第に発売されなくなる見通しだ。東芝自身が機器の生産・販売から撤退するとなれば、ソフトの供給が細る傾向が加速するのは必至。レコーダーは、ハイビジョン放送を録画して楽しむのがもっぱらの使い道になってしまう。 HD―DVDレコーダーは製造終了後も8年間はメーカーに部品の取り置きがあり、修理は可能。だが、期間後に故障すれば、録画番組を再生できなくなる事態もあり得る。 かつてのVTRを巡る規格争いで、ベータ方式で敗れたソニーは、88年にVHS方式に参入した後も利用者に配慮し、02年までベータ方式の生産を続けた。 東芝の撤退検討が一斉に報じられた17日、東京都内の家電量販店のDVDレコーダー売り場は、買い物客からの問い合わせへの対応に追われた。店員は「朝から同様の問い合わせがたくさんあるが、正式な発表はこれから」と説明。HD―DVD商品については「もし米大手の映画ソフトが出なくなっても、録画機としてはかなりの高機能」と理解を求めていた。 ある男性会社員(58)は「早い時期の撤退はメーカーとしては賢いのだろうが、撤退するのなら、HD―DVDを売り続けるのは客に損をさせるようなもの。すでに買った客への責任も考えて欲しい」と話した。 都内の別の家電量販店では、売り場で撤退報道の新聞記事を印刷。「昨晩からこうした報道が出ている。よく考慮して買うことをご検討下さい」と説明している。「これがいまできる最大限、誠実な対応」と現場の責任者。配達前だったため、特別にBD製品への取り換えを受け入れた例も出ているという。
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