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イージス艦に回避義務か 見張り不十分の可能性

2008年02月19日13時47分

 イージス艦「あたご」と漁船はなぜ衝突したのか。海運業界に詳しい日本財団の山田吉彦広報チームリーダーは、(1)発見後の回避義務がどちらにあったか(2)航行の多い海域で見張りが十分だったか(3)あたごの救助は適切だったか――の3点がポイントだと指摘する。

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漁船清徳丸と衝突した海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」の艦首部分。海面から上に傷状のものが見える=19日午前8時45分、千葉県・野島崎沖南南西約40キロで、本社ヘリから

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イージス艦と漁船の航跡

 海保によると、双方の船は直角に近い角度で衝突したとみられ、漁船の左側が大破していたという。海難審判の海事補佐人で、海難事故の原因究明に詳しい松井孝之弁護士は「双方は横切り関係にあり、海自艦が漁船を右にみる関係だった可能性が高いのではないか。海自艦が漁船を避けなければならないのに、この大きな義務を怠っていた可能性も考えられる」と話した。

 当時、現場海域は霧などはなく波も穏やかだった。防衛省の話でも視界は良好だった。

 防衛省海上幕僚監部によると、護衛艦が航行する際は通常、昼夜を問わず、艦橋で当直士官などが前方を目視し、さらに艦橋の左右に計2人の見張り員が立ち、周囲を確認。レーダーによる警戒も行う。海幕は、実際に見張り態勢がどのような状態にあったか調査する方針だ。

 軍事ジャーナリストの神浦元彰さんは「漁船には航海灯がついているはずで、海自艦の見張りが目視でそれを見つけて警笛を鳴らすべきなのに、それを見落としたのだろう。海自艦は、数人が数時間交代で見張りをしているはずで、見張りに怠慢があったのではないか」と指摘。漁船についても「海自艦を発見すれば回避はすぐにできるはず。漁船も見張りがきちんとできていなかったのではないか」と話す。

 また、日本水難救済会の磯貝正夫常務によると通常、衝突後は相手の船や事故を知った周辺の船がすぐに救助を始める。「ライフジャケットを装着したり、泳いだりできていれば見つかりやすいが、被害状況によって発見が難しいこともある」という。

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