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イージス艦見張り、漁船目視続けず 緊急性感じぬまま

2008年02月23日15時07分

 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船清徳丸の衝突事故で、少なくとも衝突の12分前に清徳丸の灯火を視認していたあたごの見張り員が、第3管区海上保安本部の調べに対し「緊急性を感じなかった」という趣旨の供述をしていることが23日、わかった。3管は、交代直後だった見張り員が灯火確認後、継続的に灯火を追うことを怠り、当直士官やレーダー担当員への報告・連絡もせずに、事故を招いた疑いがあるとみて調べを進める。

 防衛省などの説明では、あたごが清徳丸とみられる灯火を見つけたのは衝突12分前の19日午前3時55分ごろ。この灯火を見ていたのは午前4時前に交代した見張り員だけではなく、交代前の隊員も確認。「3時55分」は前任が後任と一緒に周囲を確認しながら灯火などの情報を伝えた時間帯とみられる。

 危険性の認識をめぐっては、防衛省の調査でも見張り員が「そのまま進めば、あたごの後ろを通り過ぎると判断した」と話していることがすでに明らかになっている。3管は、見張り員の認識の甘さが回避行動の遅れを招き、事故の一因となったとの疑いを強めている。

 海上衝突予防法では、視覚や聴覚により「常時適切な見張りをしなければならない」としている。海保によると、前方に灯火を見つけた場合は継続的に対象を追い、レーダーと照らし合わせながら危険回避の方法を探る「系統的な観察」が求められる。

 だがこれまでの調べでは、あたごの見張り員は少なくとも午前3時55分に灯火を確認した後も「緊急性を感じなかった」として、継続的な監視や、当直士官やレーダー員への報告をしなかった疑いが強まっている。

 当時清徳丸は数キロ先を航行していたとみられ、ただちに危険という状況ではなかったが、海保関係者は「漁船は動きが予想しにくいため、ある程度距離がある段階で、相手に分かるように回避行動をとるなど慎重な運航が求められる」と指摘する。

 3管は当時艦橋にいた他の乗組員の証言や押収資料などの分析を進めるとともに、見張り員らにどのような指示がなされていたのかも調べる。

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