元厚生事務次官宅が相次いで襲われ、3人が死傷した事件に対し、政府は二つの事件が類似していることから、「連続テロ」の可能性もあるとみて警戒感を強めている。政界からは「許されない行為だ」と怒りの声が上がった。
河村官房長官は午前の記者会見で、「警察当局としても連続テロの可能性も視野に入れて捜査をしている。これが意図をもったテロならば、断固許すわけにいかない」と強調。首相が関係当局へ捜査の徹底と警戒強化に万全を期すよう指示を出したと説明し、「問答無用ということは許されない。この民主国家において許してはならない行為だ」と強い憤りを示した。
舛添厚生労働相は自宅前で朝、記者団に「テロ行為を行うような電話があったなどの情報は来ていない。仮に歴代幹部を政治的目的で狙ったテロとすれば許し難い。民主主義社会では断固としてテロは排除しないといけない。一番大事なのは早期解決と犯人の逮捕だ」と述べた。警視庁と連携して厚労省の警備を強化し、全職員に注意を呼びかける考えも明らかにした。
与野党からも憤りの声が相次いだ。自民党の細田博之幹事長は「2件発生したことを考えるとテロ行為だ。平穏に暮らしている夫婦を刺し殺すというとんでもない行為は理解できない。しっかり治安当局も対応してほしい」。民主党の鳩山由紀夫幹事長は「(二つの事件は)何か連動したテロのにおいがする。政策に対する不満があれば対話を通じて議論をして解決をしていくというのが日本の進むべき道だ。決してテロ行為が許されるわけではない」と述べた。
事件は、午前中の衆院厚生労働委員会でも取り上げられた。最初に質問に立った自民党の冨岡勉衆院議員は「厚生労働行政との関連も取りざたされているが、行政に携わる私たちはいかなる暴力や卑劣なテロに対してもひるむことなく、国民のために職務を遂行していくことが肝要だ」と指摘。この日審議入りした後期高齢者医療制度廃止法案の提案者である民主党の福山哲郎参院議員は「事件で亡くなられた方のご冥福を心からお祈りし、けがをされた方の一日も早い回復をお祈り申し上げたい。事件の早期の解決を強く望みたい」と語った。