元厚生事務次官宅への連続襲撃事件で、東京都中野区の吉原健二さん(76)宅で妻靖子さん(72)が刺され重傷を負った事件があった18日夕方、近所の複数の人が黒い車を見ており、車の急発進音を聞いた人もいることがわかった。さいたま市南区の山口剛彦さん(66)と妻美知子さん(61)宅の付近でも、事件があったとみられる17日の夕方、不審な黒い乗用車が目撃されていた。埼玉県警と警視庁の共同捜査本部は事件との関連を調べている。
吉原さん宅の周辺では事件直前の18日午後6時20分ごろ、吉原さん宅から南東に約300メートル離れた路上を、黒い乗用車が猛スピードで走り去るのを会社員の男性(50)が目撃した。運転席の男1人だけが乗っていたという。
また、同日午後5時ごろには、吉原さん宅の南約200メートルの公園近くの路上に黒っぽい車が止まっているのを、散歩中の男性が見たという。
車の急発進音を聞いたと証言したのは、吉原さん宅そばの女性(31)。犯人の足跡とみられる血痕が残っていた道路の脇の家に住んでいる。女性によると、自宅1階にいたところ、車のドアが閉まる音がし、直後に急発進する音がした。エンジンをかける音はせず、猛スピードで北側へ走り去ったようだった。スライド式ドアの音に聞こえたという。
一方、山口さん方付近では事件の前とみられる17日夕、黒いセダンの乗用車が目撃されていた。帰宅途中だった高校2年の男子生徒(17)によると、午後4時ごろで、車はエンジンがかかっておらず、誰も乗っていなかった。止まっていたのは、山口さん方から続いていた血痕が途切れた場所の近くで、大通りの方を前にして駐車していたという。男子生徒は、道が狭く、駐車している車を普段は見たことがなかったため不審に思ったという。
埼玉県警はこの情報を重視しており、車種やナンバーの確認を進め、事件との関連を調べる方針だ。