元厚生事務次官宅が相次いで襲われた事件で、さいたま市の無職小泉毅(たけし)容疑者(46)=銃刀法違反容疑で逮捕=が同市の山口剛彦さん(66)宅と東京都中野区の吉原健二さん(76)宅を襲った後、元社会保険庁長官を襲撃しようとして家の近くまで赴いた、と供述していることがわかった。「警察の警備が厳しかったので、襲撃を断念した」と説明しているという。捜査関係者が明らかにした。
警視庁や埼玉県警の調べでは、小泉容疑者は11月17日から19日にかけて、元次官ら5人の殺害を計画したと供述。山口さん宅を17日に、吉原さん宅を18日に襲ったことを認めているとされる。
捜査関係者によると、さらに千葉県内の元社保庁長官宅の襲撃を考え、家のそばまで行った、との供述を始めた。22日に出頭した際に乗ってきたレンタカーの中には、段ボール箱に張られるなどした伝票が3枚あり、それぞれ吉原さん、山口さん、元社保庁長官の名前が書かれていた。
車内には、この3人とは別の元次官宅の周辺を下見したとみられる手書きのメモや、元厚生省幹部ら約10人分の自宅周辺の住宅地図もあった。小泉容疑者は調べの中で、複数の元幹部の名前を挙げて「インターネットで付近の地理を調べた」などとも話しているという。
動機については、34年前に飼い犬が保健所で処分されたことに対する恨みだと、一貫して説明しているという。
警視庁などは、小泉容疑者が狂犬病予防法を所管する旧厚生省の元トップらを無差別に狙う計画だったとみている。捜査幹部は「警備を強化していなければ、かなり危険な状況だった」と話した。