元厚生事務次官宅の連続襲撃のうち、東京都中野区の吉原健二さん(76)宅で妻靖子さん(72)が重傷を負った事件で、さいたま市の無職小泉毅(たけし)容疑者(46)=銃刀法違反容疑で逮捕=が警視庁の調べに、「被害者を追いかけたが、外に逃げられたので、あわてて逃走した」と供述していることがわかった。捜査関係者が取材に明らかにした。
靖子さん、犯人のどちらが先に外に出たのかこれまで不明だった。警視庁は、小泉容疑者が靖子さんに執拗(しつよう)に襲いかかったとみている。
同庁と埼玉県警は、さいたま市の山口剛彦さん(66)夫妻刺殺と吉原さん宅の両事件について、4日、小泉容疑者を殺人と殺人未遂容疑で再逮捕する方針だ。
小泉容疑者は11月18日午後6時半ごろ、宅配便の配達を装って吉原さん方を訪問。靖子さんが玄関のドアを開けたところで、刃物でいきなり胸を刺すなどしたとされる。
小泉容疑者はこの際、荷物に見せかけた段ボール箱を両手で持っていた。箱の左右の側面にはそれぞれほぼ四角い穴が開けられていた。穴から両手を差し入れて箱を抱え、荷物を渡すそぶりをしながら左手に握った刃物を抜き、襲いかかったとみられる。
玄関から上がってすぐの廊下に血だまりがあり、廊下やダイニング、居間に靖子さんのものとみられる血痕が残っていた。小泉容疑者のものとみられる土足の跡もあった。
小泉容疑者は、室内に逃げた靖子さんを追いかけるとともに、吉原さんを捜した、と供述。「逃げられたので自分もあわてて逃げた」と話したという。靖子さんも事情聴取に、同様の証言をしたという。
玄関ドアの内側のノブには血痕が付いていた。こうした状況や供述から、警視庁は、靖子さんが玄関から外に逃れ、その直後に小泉容疑者が出て、路上に倒れた靖子さんの脇を通って逃走したとみている。
小泉容疑者が警視庁に出頭した際に乗っていたレンタカーの中から、作業着とズボン、軍手などとともに、帽子も見つかっていたことがわかった。いずれも襲撃時に身に着けていたとみられる。