現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 特集
  4. 列島こんな話
  5. 記事

中之島公園で野良猫ゼロ作戦 施設に保護、飼い主探す

2010年1月5日6時33分

写真ボランティアによって施設に保護されている野良猫=26日、大阪市内、山本裕之撮影

 野良猫の名所になっていた大阪市北区の中之島公園から、猫の姿がほとんど見られなくなった。その訳は公園を管理する市北部方面公園事務所とボランティアが展開する“野良猫ゼロ作戦”。市有地に小屋を設けて野良猫を集め、飼い主探しを進める。ふんをめぐるトラブルなどで問題視される野良猫を、愛猫家に保護してもらって数を減らす一石二鳥の策だ。市は来年度から作戦の事業化も検討している。

 大阪市内のビル街にある市有地に、ひっそりとプレハブ小屋が建つ。中に入ると、広さ約80平方メートルのスペースに全国の支援者から寄せられた猫用のエサが積まれている。壁にはいくつもの棚が設けられ、思い思いの場所に猫がくつろいでいた。

 黒に三毛、シャムなど28匹。いずれも中之島公園に住み着いていた野良猫で、飼い主が名乗り出るのを待っている。ボランティアの会社員、高見かおりさん(43)と妹の庸子(ようこ)さん(42)=いずれも京都市伏見区=は「もともと捨て猫が繁殖したのが大半でしょう」と話す。

 オフィス街に囲まれた中之島公園は、昼食時のサラリーマンやOLなどからえさをもらい、野良猫が繁殖していた。人と野良猫のこうした関係が崩れたのは2007年11月。同公園の再整備工事が始まり、閉鎖された場所に住み着いた野良猫をどうするかが問題になった。猫は縄張り意識が強く簡単には移動しないため、このままでは餓死してしまうと保護を求めるメールや電話が相次いだ。

 公園事務所の職員らが頭を悩ませていたところ、高見さんらがボランティアを申し出た。事務所側は小屋を市有地に置くことを、工事が終わるまでの一時的な「特別措置」として許可。ボランティアがエサやりと不妊・去勢手術をし、飼い主を探す役割を担った。

 プレハブ小屋自体はボランティアの持ち物だが、新たに猫を捨てられないよう、場所は公表していない。高見さん姉妹が飼い主探しと支援のためのブログを開設したところ、これまで54匹が引き取られた。野良猫は心ない人にいたずらされることもあるといい、2人はこの取り組みの必要性を訴える。

 12月中旬、中之島公園に猫の姿は全くない。近くに住む主婦の女性(36)は、1歳2カ月の長女を芝生で遊ばせていた。「野良猫がいると砂場がふんで汚されるなど衛生面で不安ですが、ここは安心。こういう取り組みが広がってくれれば助かります」と話した。

 約270の公園を所管する同公園事務所によると、「泣き声がうるさい」「ふんが汚い」といった野良猫に関する苦情は毎月10件程度寄せられるという。滝本正明副所長は「野良猫がいなくなることで、新たに捨てられる猫が減ることも期待している」とし、来年度以降、不妊・去勢手術に公費を出すことも含め、市民と協力を続けることを検討しているという。

 問い合わせは、高見さんのブログ(http://plaza.rakuten.co.jp/nekomat/)へ。(丸山ひかり)

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内