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秋田の男子高生、なぜコート着ない 疑問ぶつけると…

2010年3月11日4時15分

写真雪が降る中、コートを着ないで歩く高校生=2月5日夕、秋田市中通7丁目

 3月に入っても寒い日が続き、10日はまとまった雪が降った秋田。しかし、街で見かける男子高校生は制服の上にコートを着ていない。「なぜ着ないの」。率直な疑問を彼らにぶつけてみた。

 2月上旬の秋田駅。この日は朝から雪が断続的に降り続き、午後4時の気温は零下4度。目の前を帰宅途中の高校生が次々と通る。

 女子生徒はほとんどが紺や黒のダッフルコートを着ているのに、男子生徒でコートを着ているのは20人に1人ぐらい。西仙北高校3年の門脇健君は、制服のブレザーの下に、肌着、カッターシャツ、セーター、寒いときはジャージーも着るという。コートを着ない理由を聞いてみると、「制服の上に着たらダサイっしょ」。

 制服メーカーのトンボ(岡山市)の佐野勝彦ユニフォーム研究室長は「近年、全国的にコートを着ない男子高校生が増えています。理由はカッコ悪いからです」と話す。

 同社は2008年、山形、新潟、神奈川、大阪、岡山など9都市18人の男子高校生にコートを着ない理由を聞き取り調査した。もっとも多い答えが「みんなが着ていないし、カッコ悪い」だった。ほかにも「電車やバスでの着脱が面倒」「マフラーで我慢できる」という意見もあった。

 佐野室長は、雑誌などで首都圏の男子高校生がコートを着ていないのを見て、東北の高校生もまねをしていると推測する。「彼らは多感な年ごろ。周りからカッコ悪いと思われるぐらいなら、寒くても我慢するのでしょう」

 秋田以外の寒い地域でもコートは着られていないようだ。「中学生はコートを着るけど、高校に入るとさっぱり」。札幌市で学生服ショップを展開する田中見事社長はそう話す。新潟市のバロンハヤカワの早川昭男社長は「コートを着ない方がカッコいいと思ってるんだから仕方ないよ」とあきらめ気味だ。

 WEB雑誌「ガンガンオンライン」(http://www.square-enix.com/jp/magazine/ganganonline/)で「男子高校生の日常」を連載している漫画家の山内泰延さん(29)は「女子の前で強がるのが男子高校生の特徴。『寒さなんて気にしないぜ』と思われたいんでしょう。辛いのが苦手なのに、カッコつけて料理にタバスコをかける心理と同じ」と話す。

 女子生徒はどう見ているのか。秋田駅付近で秋田市の高校に通う2年生のカップルに聞いた。紺のダッフルコートに身を包む彼女は「確かに制服にコートは似合わないかも」と、学ラン姿の彼氏を見つめた。彼氏はマフラーを巻いているが、やはり寒そうだ。制服の下にジャージーやパーカを着ることもあるという。

 記者が「彼氏が風邪ひいちゃうよ」と言うと、彼女は「こうすれば大丈夫」と笑って、彼氏の手をとり自分のコートのポケットに入れた。(田中祐也)

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