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サブプライム対策、米大統領選の争点に 公的介入に濃淡

2008年03月28日21時03分

 深刻化するサブプライム危機への追加対応策が、米大統領選でも大きなテーマになってきた。政府機関による救済策に積極的な姿勢をみせるのが野党民主党のクリントン上院議員。同党のオバマ上院議員は新たな景気刺激や金融制度の改革も強調する。共和党のマケイン上院議員も税金活用を否定せず、どの陣営も公的資金含みの「有事対応」を打ち出している。

 候補指名を激しく争う民主党の両議員は、節目になる4月22日のペンシルベニア州の予備選に向けて経済政策を相次いで発表。共和党のマケイン議員も含め、基本的な対応策が出そろった。

 景気浮揚では、ブッシュ政権の失政を批判する民主党勢がそれぞれ連邦レベルで300億ドル規模の追加刺激を要求。同党主導の議会で、第2弾の景気対策が検討されており、関連法案の成立をめざす。マケイン氏は5月からの所得税減税などの効果を見極める方針だ。

 サブプライム対策では、クリントン氏が、住宅ローン政策を担う連邦住宅庁(FHA)に、民間金融機関などからサブプライムローン債権を直接買い取る準備をするよう要請。政府機関が焦げ付きの危険性を肩代わりすることになる。80年代後半〜90年代前半の貯蓄貸付組合(S&L)危機時に不良債権を買い取った整理信託公社のような機動力を想定している。

 同氏は「金融当局は(証券大手)ベアー・スターンズの崩壊を避けるため300億ドルの命綱を差し出したのに、一般の住宅保有者はほとんど支援を受けていない」と強調。27日付の米経済紙のインタビューで、後手に回ればかつての「日本のような状況になりかねない」と懸念を示した。

 オバマ議員もFHAの機能強化を求めるが、住宅差し押さえを防ぐためのローン保証の強化に力点を置く。政府保証ローンが焦げ付いた時の負担リスクは増すが、ローン債権を直接買い取るのと比べ、公的負担が膨らむ危険性は比較的小さいとされる。安易な救済への批判に配慮した。

 その半面、富裕層が集中する金融業界の規制強化を狙い、金融機関の資本増強や透明性向上などを求める。連邦準備制度理事会(FRB)の監督対象に、証券業界なども加える。同氏は「ウォールストリート(ニューヨークの金融街)の危機が庶民にすぐ打撃を与えるのが21世紀型の経済問題。金融制度の抜本改革が必要だ」と話す。

 「小さな政府」を掲げる共和党のマケイン氏は、サブプライム対策に乗じて財政出動や規制強化など「大きな政府」を狙う民主党勢の動きを牽制(けんせい)。「クリントンやオバマ両議員が提案する投機家らも対象にした巨額な救済策は必要ない」と強調。ただ、一層の危機深刻化に備え「税金を支援にあてる場合は、問題再発を防ぐ改革を伴う必要がある」と公的資金投入も視野に入れている。

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