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小沢王国の工事でゼネコン統率 逮捕の秘書

2009年3月4日3時1分

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写真07年7月の参院選で民主党・小沢代表に同行した大久保隆規容疑者(左)=青森市、松沢竜一撮影

 西松建設の裏金問題を巡る東京地検特捜部の捜査は3日、政界に及んだ。西松の名前を隠した政治献金を受けた容疑で逮捕されたのは、政権交代をうかがおうかという民主党の小沢一郎代表の公設第1秘書大久保隆規容疑者(47)。「側近中の側近」とされ、地元の公共工事にも強い影響力があった、という。

 朝日新聞が入手した大手ゼネコンの「極秘資料」。そこに名前が何度か出てくる大久保秘書の役割は、小沢代表の地元・岩手県を中心とする東北地方で、迫りくる総選挙に向けた実務を取り仕切る大久保秘書の姿とは明らかに異なっている。

 資料はゼネコンが01年前後に、東北地方全域で展開した公共工事受注のための活動内容を詳細に記したものだ。そのなかに「盛岡(営)の所長より、県立病院」と題されたページがある。

 「小沢氏の考え、大久保氏を育てたいという意向を持っている」

 「仕事の話は大久保秘書にし、ほかはあいさつだけにしておいたほうがいい」

 大久保秘書は、その他のページにも登場する。同社関係者が小沢代表系の岩手県議(当時)とみられる人物と面会した際の記録だ。

 「本件の今後の進め方について」という項目。そこに次のようなくだりがある。

 「まず、大久保氏(小沢党首の秘書)を通じて根回しをする。その指示を待て」

 「営業所長は大久保氏を通じて今年度中にゼネコンのしかるべきトップと支店長で直接小沢党首に面談し『お願い』をすること」

 「大久保秘書の段取りした会見は小沢党首も従う」

 公共工事に絡んだ大久保秘書の影響力に一目置いていたのは、このゼネコンだけではない。

 別の大手ゼネコンの関係者は「口利き依頼、陳情……。最も力を持っていたのが大久保氏だった。大久保氏の意見なら小沢氏も聞く。小沢氏の番頭だ」と証言。「秋田、青森を含め北東北3県の大規模公共工事の受注は、小沢事務所関係者の意向で左右されると、ゼネコン側はみていた」と話した。

 ゼネコン関係者らは「岩手県内の工事は依然として『小沢王国』で自民党も太刀打ちできない」と口をそろえる。小沢代表の自民党時代から、小沢事務所は、岩手県内の建設業者だけでなく、仙台市に本拠を置く大手ゼネコンの東北支店などにも影響力を持っていたという。

 小沢代表が自民党を離党した後もこの構図は続き、ゼネコン側は小沢代表の元秘書などに小沢事務所への口利きを頼むことがあったという。この状態が続いた背景について、あるゼネコンの元役員は「野党であるにもかかわらず、小沢事務所の意向を最大に尊重する役人が国にも県にも今でもいると、ゼネコン側が認識しているからだ」と指摘した。

 大久保秘書は釜石市出身で地元高校を卒業後、同市議を経て99年の同市長選に立候補したが落選。その後、小沢代表の秘書になった。「小沢氏の権威をかさに着て恫喝(どうかつ)するようなタイプだった」と地元議員は話す。そんな大久保秘書が、数あるゼネコンの中で特に親しくしていたのが西松建設だったという。

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