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ネットで新型インフル対策 キーワード集め「兆し」報告

2009年5月13日14時3分

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写真「ヘルスマップ」のウェブサイト。インフルエンザの情報が印で地図上に表示される。印は関連報道がある日本にもついていた

写真新型インフルエンザと疑われる情報が4月1日に現れていた=ヘルスマップ提供

 インターネットをうまく使えば、新型インフルエンザへの対策を早くとれるかもしれない。ネット上の感染症情報を自動的に集めるシステムに、メキシコでの流行の兆しが、世界保健機関(WHO)が死亡例を発表する約3週間前の4月初旬にはひっかかっていた。「デジタル感染症調査」に注目が集まりそうだ。

 このシステムは、米ハーバード大などが運営する「ヘルスマップ」(www.healthmap.org)。英語、スペイン語、中国語など五つの言語を対象に、新聞社などがウェブサイトに掲載した記事やWHO、国際感染症学会などが出す情報を、感染症に関するキーワードを使って抜き出し、地図上に示す。日本語未対応だが、「今後、日本語も加えたい」(運営者)という。

 このシステムに新型インフル流行の兆しと思われる記事が最初にひっかかったのは4月1日。地元メディアの報道で、「不思議な」病気がメキシコ・ベラクルス州の町で流行し、3月から住民3千人の6割が感染、2人が死亡したという内容だった。

 WHOとカナダが開発した同種のシステム「GPHIN」にも同様の情報が次々にひっかかった。複数の情報をもとに同システムは10日になって、ベラクルス州で急性呼吸器疾患が発生していることをWHOに報告した。メキシコで豚インフルエンザが人に感染、死者が出たとWHOが発表したのは24日だった。

 ただこれらのシステムは自動的に情報を集めるだけ。最終的に人が情報を分析しなければならない。医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に報告した専門家らは「節度と適切な評価とともに利用されるべきだ」としている。

 ネット調査はもともと地域の感染症情報を専門家が集め、分析して対策に使うのが狙いだった。だが、これらの情報から、いつ、どこで起きるか分からない新感染症を、政府や医療機関の公式発表より早くキャッチできる可能性がある。新型肺炎SARSが中国で発生した02年ごろから、各国で複数のシステムが動き始めていた。

 日本でも国立感染症研究所などの協力で、国立情報学研究所が06年に「バイオキャスター」(http://biocaster.nii.ac.jp)と呼ぶシステムを開発。現在はベトナム語、タイ語、中国語など七つの言語の情報を集め、アジアで発生する可能性が指摘されている高病原性鳥インフル(H5N1)が変化する新型インフルなど感染症の発生を警戒している。(小堀龍之)

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