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〈解説〉新型インフル 感染、すでに拡大の恐れ

2009年5月16日12時29分

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 海外渡航歴のない高校生が新型インフルエンザに感染していた。疑いが出ている2人とは同じ高校だが、学年や部活動はみな同じではない。同校では体調を崩した生徒が10人以上いる。何らかの経路で海外から入った新型ウイルスによって、少なくともこの高校で人から人への感染が起きている可能性が高い。4月に新型インフルの集団感染があった米ニューヨークの高校では、メキシコに旅行したのは7人だったが、生徒や職員、その家族ら千人以上が発症したとされる。

 もともと検疫で国内発生を阻止することは難しい。インフルエンザは感染しても1〜7日程度、症状が出ない潜伏期間がある。その間に検疫を通れば、水際で感染者を見つけて阻止することはできない。米疾病対策センター(CDC)は現在の米国の推計感染者数は10万人以上との見方を示しており、海外で感染して国内に持ち込まれる機会は広がっている。世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子医務官も「感染がここまで広がると水際対策だけで新型ウイルスが入るのを食い止めるのは難しい」と指摘していた。

 これからは国内のあちこちに新型ウイルスが入っていることを想定した医療対応を急ぐ必要がある。例えば、海外渡航歴がなくても急に肺炎などの病気になった患者がいたら、新型の感染を疑って検査する。CDCの暫定指針では、健康だった65歳未満の人がインフルエンザのような症状で入院した場合には、感染を疑うことになった。

 感染すると重症になりやすい妊婦や高齢者、肺や心臓に持病がある人などは特に注意が必要だ。米国では持病があった人たちが新型インフルで亡くなっている。

 一方、米国などの多くの患者や、成田空港の検疫で見つかった高校生らの症状は毎冬の季節性インフルと同様で、順調に回復している。タミフルなど抗インフル薬も効いている。

 今後、患者の周辺などでインフル症状が出た人がいたら、病院へ行くのではなく、まず発熱相談センターに電話相談してほしい。他の人にうつさないためだ。感染の広がりに警戒が必要だが、恐れすぎず、冷静な対応が求められる。(編集委員・浅井文和)

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