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欧州、だぶつく新型ワクチン 副作用恐れ、低い接種率

2009年12月20日2時4分

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 新型インフルエンザの流行に備えて大量のワクチンを確保した欧州主要国で、ワクチンがだぶついている。接種率が極めて低いためだ。ワクチンの有効期限は1年のため、最悪の場合、廃棄せざるを得ない。先ごろまでのワクチン争奪戦から一転して、売却先を探す動きが加速している。

 英国では今月10日までに1320万回分のワクチンを病院に配布。10月21日に医療従事者や妊婦など優先対象者から接種を開始したが、まだ230万人(12月10日現在)しか接種していない。

 フランスでは、優先対象者2500万人のうち、接種済みは16日段階で365万人にとどまっていた。このため接種対象を一般の成人4千万人にまで拡大し、18日現在では約400万人となった。

 他の主要国でも状況は同じだ。イタリアでは各自治体に計743万回分が配布されたが、15日現在で接種したのは約69万人だけだ。ドイツでも接種済みは約670万人と、人口の8%にすぎない。

 ほとんどの国で接種は無料。にもかかわらず接種率が低い理由の一つが、ワクチンの副作用に対する不安だ。接種の際の頭痛や熱、めまい、吐き気といった症状が繰り返し報道されたうえ、カナダ国内で想定より高率の副作用が報告されたことで警戒感が強まった。季節性インフルエンザと比べて死亡率が低いと解釈し、感染に対する危機感が薄いこともある。仏の世論調査では、4割が「全く心配していない」と答えている。

 ワクチン製造能力を持つ製薬会社が集中する欧州では、6月の世界保健機関(WHO)による世界的大流行(パンデミック)宣言前から各国が先を争ってワクチン確保に走った。当初は2回の接種が必要とされたが、後に1回で十分と分かったこともだぶつきの原因になっている。

 大量にワクチンが余ることが確実になったため、今度はその処理のため各国が本格的に動き始めている。9400万回分を確保しているフランスは17日、WHOに当面500万回分を寄付する方針を表明。スイスも調達した1300万回分のうち450万回分を売却するか、WHOを通じて途上国に寄付すると発表した。

 十分にワクチンを調達できなかったアフリカや東欧の国々に売却を模索する動きも出ている。また製薬会社に引き取ってもらうため協議を始めたスペインのような例もある。(ローマ=南島信也、パリ=飯竹恒一)

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