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鳥インフルと季節性、混合で重症化も 東大など研究

2010年2月23日5時4分

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 鳥インフルエンザが人の季節性インフルと遺伝子の組み換えを起こすと、哺乳(ほにゅう)類に効率的に感染するだけでなく、重症化しやすいウイルスに変わる恐れがあることが分かった。鳥インフルが、人の間で世界的大流行(パンデミック)を起こす新型インフルになる可能性が引き続き高いようだ。東京大医科学研究所の河岡義裕教授や米ウィスコンシン大の八田正人准教授らの研究で、今週の米科学アカデミー紀要電子版に発表する。

 これまで鳥と季節性との遺伝子組み換えでは、重症化しないウイルスしか生まれないと見られていた。

 鳥インフル(H5N1)は鶏などに対しては100%近い致死率になるが哺乳類にはそれほど強い症状を起こさない。世界でアジアを中心に300人近くが亡くなっているが、治療まで時間がかかるなどウイルスの性質以外の要因が影響しているとみられる。人から人へ効率良く感染するように変異もしていない。

 河岡さんらは、鶏で流行しているウイルスと、季節性インフルのA香港型(H3N2)とで遺伝子が混合する組み合わせを254通り想定。実際に遺伝子工学でつくって性質を調べた。

 254種類のうちパンデミックを起こす恐れが強く、増殖能力の高い75種類をマウスに感染させた。そのうち22種類は、ウイルス1万個を感染させたマウス4匹がすべて2週間以内に死んだ。とくに致死性の高い3種類はわずか10個のウイルスの感染で半数のマウスが死亡した。22種類すべてで、ウイルスの増殖に関係する遺伝子(PB2)は季節性インフルのものだった。

 人の場合、季節性と鳥の両インフルに同時に感染すると、体内で遺伝子組み換えがおこり、病原性の高いウイルスが誕生する可能性がある。

 河岡さんによると、感染力は強くないが、PB2がヒト型の鳥インフルはすでに欧州で散発的に見られる。鳥インフルの調査を継続的に実施することが大切だという。(大岩ゆり)

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