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インフルは終息したのか 警戒態勢に悩む自治体

2010年3月20日11時23分

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写真新型インフルエンザの本格的な流行に備え、昨年11月には東京都内の保育園でワクチンの集団接種が行われた

 新型の豚インフルエンザは終息したのか――。研究者らが慎重に推移を見守る一方、都道府県は国の対応に注目する。警戒態勢を解かずに第2波に備えるのか、いったん緊張を緩めて新たな体制づくりをするのか。政府の動きや研究者の発言をにらみながら、選択の道はさまざまだ。

 国立感染症研究所の調査では新型インフルの流行による患者数は11月下旬にピークを迎えた後に減少。19日の調査結果では2週連続で流行水準を下回ったが、季節性インフルならまだ流行シーズンのはずで、新型の再燃への懸念も残っている。

 しかし、地域で医療に携わる自治体にとって、住民にずっと警戒するよう呼びかけ続けるのは難しい。感染への注意を促すインフルエンザ警報は、発令した自治体の約6割にあたる約20自治体が解いたのに加え、知事をトップに据え、自治体や医療機関、企業や学校の連携を支える「インフルエンザ対策本部」を解散させる県が出てきた。

 大分県は15日、滋賀県は17日、それぞれ県の対策本部を解散した。「『最高の危機管理体制を敷く必要はない』との合意に至った」(大分県健康増進課)、「県民の感染予防行動が行き届いていた」(滋賀県ウェブサイトでの嘉田由紀子知事のメッセージ)とし、今後は「通常の危機管理体制」で応じるが、新型インフルウイルスの変異や、これまでと異なる年齢層などで集団感染があれば、速やかに対策本部に戻すという。

 残る45自治体は、対策本部を維持しているが、今後の政府の対応により、解散や規模見直しを考えている自治体が多い。流行の沈静化後、対策本部解散を検討したことがある北海道の山口亮・医療参事は、「ワクチンの在庫処理もあり、やはり国の動きを待たないと動きにくい」と話す。愛媛県の担当者は「感染症法上、新型でなくなるのは厚生労働大臣が宣言したときだ」と、判断を心待ちにする。

 次の流行に備えつつ、医療機関や学校、保健所などでの混乱が収まったこの時期に、昨年4月からの対応を振り返り始める自治体も出てきた。千葉県は、今月、検疫関係者への聞き取りに着手、病院や医師会へのインタビューも予定している。長野県も、夏前に報告書にまとめることを目指し、委員会を開いた。

 一方で、富山県など、厚生労働省の新型インフル対策の検証結果が出るのを待ってから県内対策のまとめに取りかかる、と考えている自治体もあり、検証のスピードには差が出そうだ。

     ◇

 厚生労働省の担当者は19日の会見で新型インフルは「終息傾向にある」との認識を示した。ただ「季節性インフルが今後新型に取って代わることや、新型が再流行する可能性は否定できない」として、ただちにいまの対策を見直す考えはない点を強調した。

 今後は、今月中にも、検疫やワクチン供給など今回の一連の新型インフル対策の課題を洗い出す専門家の委員会を開く。その上で、国内の情勢や世界保健機関(WHO)の判断をにらみつつ、患者の発生状況の定点観測(サーベイランス)をいつまで続けるかや対策本部の縮小などを具体的に検討していくという。

 厚労省幹部は「いますぐではないが、いまの状態が続けば、どこかのタイミングで、何らかの(終息に向けた)宣言はしなければいけないとは感じている」と話している。(熊井洋美、武田耕太、北林晃治)

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