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2012年2月27日8時31分
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燃料切迫、14機が緊急事態 3・11着陸地変更で混乱

写真:中部空港には緊急事態宣言を出した14機のうち、最も多い5機が着陸した=2005年2月、愛知県常滑市、朝日新聞社ヘリから拡大中部空港には緊急事態宣言を出した14機のうち、最も多い5機が着陸した=2005年2月、愛知県常滑市、朝日新聞社ヘリから

図:86機の着陸変更先拡大86機の着陸変更先

 昨年3月11日の東日本大震災の直後、成田、羽田の両空港に向かっていた航空機86機が、両空港が閉鎖されたために降りられなくなり、うち14機は燃料不足で「緊急事態宣言」を出していたことが国土交通省への取材で分かった。各機が一斉に新たな着陸先を探し、管制機関が混乱したことも一因となった。同省は管制システムを改良していく方針でいる。

 緊急事態宣言は機体やエンジンの故障や火災、燃料不足など緊迫した状況となった時、着陸の優先権を得るために出す。燃料不足で14機が宣言を出したことについて専門家は「世界的に例がないのではないか」と指摘する。

 国交省によると、燃料不足による緊急事態宣言は2010年度、東日本大震災の日の14件以外は1件、09年度は2件だけだった。

 同省などによると、地震の後、成田と羽田が一時閉鎖されたため、両空港に向かっていた86機(国際線70、国内線16)がそれぞれ別の着陸先を探した。航空機は悪天候に備えて目的地以外の代替空港を決めて飛んでいる。ただ、この日の天気が良かったため、86機のうち78機は、成田が目的地の機は羽田に、逆の機は成田を代替空港にしていた。

 ほとんどが大型の航空機で両空港がともに使えなくなり、長い滑走路がある中部や関西などを目指した。このため、より多くの燃料消費を強いられることになった。

 86機が着陸先を探したため、管制の混乱も生じた。米北西部のポートランド発成田着予定のデルタ航空91便は、中部空港に向かっていたが、空港が満杯のため引き返すよう管制から指示を受け、新千歳に緊急事態宣言をして着陸した。

 緊急事態が連鎖する例もあった。釜山発の日本航空958便とダラス・フォートワース発アメリカン航空175便が緊急事態宣言。2機を優先させたことから淡路島上空で待機していた上海・浦東発日本航空874便が待ちきれず、自らも緊急事態宣言をして関西空港に着陸した。

 同省航空局交通管制部によると、緊急事態宣言を出した14機が予定より超過した飛行時間は最長が2時間20分だった。そのほか、1時間半以上が3機、1時間以上1時間半未満が4機、1時間以内が3機、不明が3機だった。着陸後に残っていた燃料について、航空各社は「社外秘」などとして明らかにしていない。(小泉浩樹、渡辺周)

     ◇

 〈航空機の搭載燃料〉 航空法では目的地までの飛行時間分以外に、予定飛行時間の5%か10%▽目的地から代替空港までの時間分▽代替空港の上空で30分間待機できる分、の3要件を満たす量の燃料を搭載することを定めている。この他に悪天候などの場合に余分燃料を持つ場合がある。

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