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〈生きていくあなたへ〉喪失をわかちあう 作家・天童荒太さん

2011年5月9日10時37分

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写真:天童荒太さん拡大天童荒太さん

 「悼む人」という小説で、事件や事故で亡くなった人が誰を愛し、誰に愛されていたかを聞く旅を続ける静人という青年を描きました。彼がここにいたら、あまりに多くの死者にぼうぜんとしながらも、被災地へ行き一人ひとりに話を聞いて回ったと思います。

 被災した方が健康な生活を送る環境を整えることはすぐにも必要です。ただつらい思いをした人を根底から支えるのは、大切な人が失われたことを私たちが忘れていないという姿勢であり、喪失をわかちあう静かな連帯感だと思います。被災していない私たちこそが変わっていく必要があるのです。つらい思いをしてきた人が隣にいるかも知れないと思って接するような社会。今とは異なる社会のあり方が浮かんでくるはずです。

 静人の旅を考えたのは9・11テロと報復の連鎖の中でした。悼む人がいてくれれば怒りが増幅されることはなくなり、絆が生まれると信じます。私も目をそらさず、災害のつらい現実を見続けていこうと思います。

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