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玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」

2011年5月27日16時5分

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 九州電力玄海原子力発電所1号機(佐賀県玄海町)の原子炉圧力容器の劣化が想定以上に進んでいる恐れのあることが、九電の資料などからわかった。九電は「安全性に問題はない」とするが、専門家は「危険な状態で廃炉にすべきだ」と指摘。1号機は稼働中で、反原発団体は原子炉の劣化を危険視している。

 原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度」を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。

 1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。

 九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している。

 これに対し、井野博満・東京大名誉教授(金属材料工学)は「試験片と容器本体は違うと九電は主張するが、その換算が正しいかはわからない」と指摘。「本体の脆性遷移温度も98度とみなすべきだ。大地震などに見舞われて緊急冷却を迫られた場合、圧力容器本体が壊れる恐れが高い」と主張している。

 玄海原発は2、3号機が定期点検で止まっている。運転再開については佐賀県などとの調整がずれ込んでおり、時期の見通しが立っていない。

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