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海岸線の街、根こそぎ消えた 揺れと津波、想像超す被害

2011年3月12日13時21分

写真拡大津波に襲われた海岸線は、家の土台だけを残し、何もなくなっていた=12日午前7時20分、仙台市若林区、朝日新聞社ヘリから、矢木隆晴撮影

写真拡大海側にあった集落「下渋佐」は跡形もなくなっていた=12日午前6時13分、福島県南相馬市原町区、日吉健吾撮影

写真拡大津波で水浸しになった仙台市若林区。木材などが散乱していた=12日午前7時6分、朝日新聞社ヘリから、矢木隆晴撮影

写真拡大津波に襲われ、がれきの山となった宮城県気仙沼市の市街地=12日午前8時28分、小宮路勝撮影

写真拡大津波が運んだ大量の土砂やごみで覆い尽くされた畑。奥に見えるのが海=福島県相馬市

 地図に載っている海岸線の街々が根こそぎ消えていた。

 3月12日午前6時すぎ、本社ヘリに乗り、地震と津波で甚大な被害を受けた福島県から宮城県気仙沼市付近までの海岸線に沿って北上した。

 福島県南相馬市上空。一瞬、湖かと目を疑った。集落がすっぽり海水にのみ込まれている。青、赤、黒。水没した民家の屋根が見えた。海岸のすぐ近く、民家の密集地だったはずの場所では、建物は消え去り、基礎のコンクリートの土台だけが連なっていた。木っ端みじんになった家々の破片が、オイルまみれの海水に漂う。

 仙台市の海岸部。海岸線沿いの防風林が、すべて同じ方向に倒れている。商店、工場、橋、消防署、仙台空港の滑走路もほぼ水没している。1階部分が水面下に没した大規模スーパーの屋上では、救出を待つ人々の姿が見えた。数え切れないほどの車両が、ばらまかれたミニカーのように転がっていた。

 南相馬市から仙台市までの50キロ以上。海水が海岸線の数キロ先まで入り込み、いくつかの街や村が跡形もなく、消失している。数百、数千。いったい、何軒の民家が流されてしまったのだろうか。被害がどれだけ膨らむのか想像が付かないほど、圧倒的な破壊の光景だ。

 漁船の造船所の重油タンクが倒れ、激しい火災が続いていた気仙沼市。街の中心部の民家や商店街が黒こげになっており、今も所々で白い煙が上がっている。漁港はほぼ壊滅状態。街の中心部まで流されてきた大きな漁船が、火を噴き出していた。

 高台に十数人の住民が立ちつくしている。壊滅した街をぼうぜんと見つめていた。(坂本泰紀)

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