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都心の帰宅困難者、家路に 駅周辺などで不安な一夜

2011年3月12日12時44分

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写真拡大東京ディズニーリゾートに近いJR舞浜駅で、JR京葉線が復旧しないため、地下鉄駅までのバスに乗り込む人たち=12日午前11時36分、千葉県浦安市、遠藤啓生撮影

写真拡大夜が明け、改札に置かれたテレビで地震のニュースを見る人たち=12日午前6時38分、東京駅八重洲中央口

写真拡大高速バスのチケット売り場には長い列ができた=12日午前8時30分、新潟市中央区のJR新潟駅前

写真拡大避難所となった「さいたまスーパーアリーナで」で宿泊する人たち=11日午後10時過ぎ、さいたま市中央区

写真拡大東京都と埼玉県境にある戸田橋付近では、都心などから徒歩で帰宅する人たちの姿が目立った=11日午後11時55分、埼玉県戸田市

 東京都によると、都と都内の区市町村は交通機関の運休で帰宅できない人のために、学校や体育館などの公共施設1030カ所を避難所として提供。都の12日午前4時現在の集計では、計約9万4千人が利用した。このうち、高校など都立学校では256校で児童・生徒8440人が足止めされた。

 12日朝には、避難所や駅周辺で一夜を明かした人々が、列車の開通を見込んで各駅に向かった。

      ◇

 新宿区の都庁には、11日深夜のピーク時には約5千人が避難。宇都宮市の大学院生(23)は都庁1階の床で、貸し出された毛布にくるまって仮眠を取った。

 就職活動で上京中に地震にあい、JRの運休で帰宅できなくなった。都内の駅を転々とし、長距離バスなどを探したが見つからなかったという。12日朝になっても、JR宇都宮線は復旧のめどが立っていなかった。「宇都宮周辺は被害が大きいのかもしれない。何とか今日中には戻りたい」。大型テレビでニュースを見ながら、心配そうに話した。

 11日に都庁近くのホテルであった就職説明会に参加していた千葉県袖ケ浦市の大学3年生の女性(20)は、携帯電話でツイッターの書き込みを見て、深夜に都庁に駆け込み一夜を明かした。「昨晩は地震の恐怖を思い出し、涙が出そうになった」

 さいたま市大宮区の男性会社員(53)は最初の地震発生時に台東区・上野にいた。JRが動かないため、自転車を買おうと店に行ったが、売り切れだった。新宿区の親類を頼ろうと約2時間半歩いたが、連絡が取れず、都庁に避難した。避難者には段ボールが配られたが、小さくて横になれなかったという。「ひざを抱えて座って朝まで過ごし、首と腰が痛くてもう駄目」と疲れ切った表情で話した。

 12日午前9時すぎ、都営大江戸線の都庁前駅を歩いていた府中市の女性会社員(44)は、新宿の高層ビル街にある勤務先に泊まったという。宿泊設備はないため、事務机に突っ伏して仮眠をとった。「都心から帰宅する手段がなくなるなんて、想像もしなかった。食料を買いだめしておくとか、備えが必要だと思った」と話した。

 東京都と埼玉県の境にかかる戸田橋(埼玉県戸田市)付近では11日深夜から12日未明にかけて、何時間もかけて歩いて家をめざす人であふれた。途中で自転車や運動靴を買ったという人も多い。

 東京・田町から歩いてきた男性会社員(37)は「ここまでちょうど6時間。つらいです」。だが、歩いている途中に、「トイレ使ってください」といった看板や、湯島ではお茶を配っている人も見かけた。「親切な人がいっぱいいるんだと思いました」

 さいたま市内の男性会社員(63)の勤務地は東京・神田。地震発生後、上野までたどり着いたが、電車は動いておらず、上野公園へ移動するよう駅員から説明があったが、そこも人でいっぱい。「午後6時ごろから歩き出した」という。埼玉県内に入った11日午後10時半すぎ、食料を買おうとコンビニに寄ったが、「スナック菓子しかなかった」。

 さいたま市大宮区の男性会社員(55)は職場のある横浜市で自転車を購入した。「電車が止まり、これはダメだと思い、すぐ自転車を買った」。11日午後4時ごろからこぎ出し、埼玉県に入ったのは12日未明。「まだ、これから遠い。足が痛い」

 赤坂見附から歩く、さいたま市大宮区の男性会社員(28)は、板橋で運動靴を購入し、革靴から履き替えた。

 新宿から同僚と歩いてきた男性会社員(33)はレンタカーを借りようと店を訪れたが「車が全部出払っていた」という。

      ◇

 千葉県浦安市の東京ディズニーランドとディズニーシーでは約2万人が足止めされ、一夜を過ごした。運営会社のオリエンタルランドによると、12日朝から最寄りの地下鉄の駅までバスを運行しており、大半は帰路についた。

 12日はホテルや商業施設も含めて臨時休業する。東京ディズニーランドの駐車場は、地震で液状化現象が発生したとみられ、水があふれ、陥没している場所もある。一部の車は出られない状況になっている。

 「さいたまスーパーアリーナ」(さいたま市中央区)では、JR大宮駅周辺で足止めされていた約5千人が避難し、一夜を過ごした。県職員らから防災用の薄い毛布を1枚ずつ受け取り、通路のテレビでニュースを見たり、携帯電話を気にしたりしながら眠りについた。

 2歳の男児を連れた埼玉県飯能市の女性(31)は、さいたま市中央区のホテルで、友人の結婚式に参列中に地震に遭った。「駅は寒かったからここはありがたい。慣れない環境で子どもが興奮しているのが心配」と話した。

 新潟県から来たという主婦(51)は11日、乗っていた上越新幹線が大宮駅の北8キロで地震のために緊急停車した。車外へ誘導され、避難所として開放された栄北高校(埼玉県伊奈町)の校舎で過ごした。「電車が動いていないので、レンタカーで帰るしかないか」と話した。

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