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2号機、高濃度放射性物質を放出 福島第一原発

2011年3月15日1時34分

図拡大福島第一原発2号機

 東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第一原子力発電所(福島県大熊町、双葉町)の2号機で14日、原子炉内の水位が低下、燃料棒全体が水から露出して空だき状態になり、炉心溶融が否定できない状態になった。いったんは回復したが再度露出し、蒸気を排出する弁も閉まって水を補給しにくくなった。格納容器内の圧力を下げ、海水を注入できるようにするため、15日午前0時過ぎ、放射性物質を高濃度に含む蒸気の外気への放出に踏み切った。

 2号機は、14日になって炉心を冷やす水を循環させる仕組みが働かなくなり、炉内の水位が低下。東電は14日午後1時25分に冷却機能がなくなったと判断し、原子力災害対策特別措置法に基づく緊急事態として国に報告した。午後4時34分から海水注入の準備に入り、午後6時22分から注入作業を開始。だが水位は下げ止まらず、長さ4メートルの燃料棒全体が少なくとも2時間20分にわたって全て露出した。ポンプの燃料が切れていたことが判明し、燃料を入れて注入作業を再開したところ、いったんは水位は上がった。

 原子炉を覆う圧力容器内の圧力は設計上の上限近くに達し、東電は圧力容器から外側の格納容器に通じる二つの弁を開放。午後8時37分から放射性物質を含む水蒸気を外部に放出する作業に入った。ところが、午後10時50分から11時にかけ、二つとも閉まってしまったという。

 閉まった弁が開けられないと、蒸気を排出できずに圧力は高まり、海水も入りにくくなる。格納容器の圧力も高まっているため、東電は格納容器から水を介さず、気体を直接放出した。この方法だと、水を通す場合に比べて途中で一部の種類の放射性物質が除去されにくくなる。

 冷却水が全て失われると、空だき状態になって過熱が進み、炉心が溶けるおそれがある。原子炉を守る圧力容器や格納容器を溶かしたり、爆発を起こしたりして、大量の放射性物質の放出につながるおそれがある。また、燃料棒が露出したことで爆発しやすい水素が発生、水素爆発につながる懸念もある。

 東電の武藤栄・副社長は同日午後8時40分の会見で、空だきの状態になっている可能性を認めた。炉心溶融の可能性があり、格納容器が持ちこたえられるかどうかが焦点となっている。

 枝野幸男官房長官は同日午後9時すぎの記者会見で、燃料棒が露出した1〜3号機の炉心溶融について「可能性は高い。三つとも」と述べた。

 午後9時37分には第一原発の正門付近の放射線量が1時間あたり3130マイクロシーベルトと、これまでの最高を記録した。

 15日午前0時には、10キロ南にある第二原発でも、放射線の量が1時間あたり113マイクロシーベルトに上昇した。放出の影響とみられるという。

 14日午前に起きた3号機の爆発で経済産業省原子力安全・保安院は一時、20キロ圏内に残っていた住民に建物内への避難を要請したが、周辺の放射線量のデータに大きな変化は確認されなかった。東電によると、自衛隊員4人を含む11人が負傷し、うち6人について放射性物質の付着を確認した。

 一方、福島第二原発では1、2号機の炉内の温度が100度を下回り、安定した状態に復帰した。

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