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枝野官房長官の会見全文〈15日午前11時〉

2011年3月15日12時59分

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 枝野幸男官房長官が15日午前11時すぎから首相官邸で開いた記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 4号機は現在、火災が生じている。こちらの原子炉は震災発生時において休止中だった。しかし、原子炉そのものに燃料などはないが、使用済み核燃料が4号機の中にあり、熱を持ってそこから水素が発生し、いわゆる水素の爆発を起こした。これまで1号機、3号機で生じてきた事象が起こったものと推察される。なお念のためだが、核燃料そのものは火災にはならない。

 水素が出ている状態であり、同時に放射性物質もその時点から排出されていたと思われるが、全体が建屋で覆われている状況ではなくなったので、これ(放射性物質)が大気中に出ているという状況になっている。何とか火災を早期に鎮火し、その上で使用済み核燃料の冷却を進めることで事態を収束させたい。

 一方、2号機で「ポン」という音がしたという事態が生じた。時間は(4号機の火災より)30分程度遅れた6時30分すぎだったと記憶しているが、2号機については上空に穴も開いていたので、少なくとも大きな水素爆発が起こる可能性は低い。ただ、小規模の水素爆発が起こったか、何らかの爆発的事象があり、その結果として圧力部分の一部が若干の破損をしたのではないかと思われている。ここから若干の放射性物質が気体として流出をしていることが推察されている。2号機から煙が見えるとの報告もあるが、欠損があると思われる部分から水蒸気が出ているものと推測している。

 現在、1号機、2号機、3号機とも注水作業を継続している。今のところ順調に三つの原子炉とも注水が進んでおり、冷却の効果が生じているものと思われるが、どうやって維持していくのかが4号機との関係でいま早急に取り組まなければならない課題だ。

 放射性物質の濃度の状況だが、10時22分時点のモニタリング結果として、2号機と3号機の間で30ミリシーベルト、3号機付近で400ミリシーベルト、4号機付近で100ミリシーベルトがそれぞれ結果として出ている。従来のマイクロと単位が一つ違っている。従来の数値と異なり、人体に影響を及ぼす可能性のある数値であることは間違いない。

 なお、ぜひ冷静に受け止めていただきたいのは、これは放出がされていると思われる部分の近くの数値であり、距離が遠ければ遠いほどこの数値は落ちていく。6時台の時点で、当該周辺にいた職員800人のうち注水要員の50人を残し、いったん退避している。この会見をするまでの時点で、注水作業を続けているという報告を受けている。

 国民の皆さんに大変ご心配をおかけをする状況となっているが、こうした事態にも備え、20キロ圏内からの退避をお願いをしてきたが、さらに万全を期す観点から総理からご報告した通り、20〜30キロの圏内にいる皆さんには外出することなく、建物など内部にいていただきたい。ぜひその折には窓を閉め、気密性を高めていただきたい。換気はしないでいただきたい。洗濯物は屋内に干していただきたい。距離が遠ければそれだけ放射性物質の濃度は低くなってくる。

 20キロを超える地点では相当程度薄まり、人体への影響が小さいか、あるいはない程度になっていることが想定されている。ただ、万が一に備え、なおかつこうしたものは気象条件にも影響されることから、圏内の皆さまには大気にできるだけ触れることのないよう屋内におられることをお願いをする。

 【質疑応答】

 ――付近への影響は?

 1、2、3号機は現在も注水作業を進めており、この間も一定の注水はされているものと思われ、圧力などの状況も一定の範囲で推移していると報告を受けている。このことを何とか維持していく努力をしている。

 ――4号機の火災は2号機よりも深刻なのか。

 4号機の事象が先に起きたという報告を受けており、私もそう認識しているので、4号機の方から先に話をした。

 ――2号機の原子炉格納容器に損傷があるのか?

 損傷を受けている蓋然性(がいぜんせい)が高いという報告だ。

 ――放射性物資が漏れているのは間違いないのか?

 1号機、2号機、3号機ともに、従来から人体に影響を及ぼす恐れは少ないレベルの放射性物質が出ていることは申し上げてきた通り。

 ――4号機の火災で使用済み核燃料が燃える影響は?

 普通の意味での火災が生じており、ぜひ誤解のないようお伝えするが、燃料そのものが燃えることはない。他の原子炉と同じように熱を発していて、その結果として放射性物質が出ることはあり得る。火事で起きている火が引火するという種類のものではない。早く鎮火し、冷却することが求められている。

 ――20キロ圏内の退避指示で十分なのか。専門家には30キロ圏内が必要との指摘もある。

 専門家の意見を踏まえて最終的には総理が判断した。何が一番安全なのか様々な意見があり得るのは間違いないが、現状をしっかり分析し、専門家の意見に基づいてこうしたお願いをしている。現状の放射能の数値などから専門家の意見を踏まえ、20キロ圏内は退避していただき、20〜30キロ圏内は屋外で大気に接することのないよう指示を決めさせていただいた。

 ――2、3、4号機の周辺の放射性物質の濃度と、2号機の格納容器の損傷との因果関係は?

 断定はできないが、4号機の爆発によって高い数値が出ているのではないだろうかと分析している。2号機は1、3号機のように安定した状態ではないが、注水が一定の効果をあげており、「ポン」という音がした状況はあるが、その前後での周辺の数値に大きな変化はみられず、そういう分析をしているとの報告を受けている。

 ――4号機の火災はこのままいけば、どのような事態が想定されるのか?

 いま鎮火に向けて全力を挙げている。基本的には繰り返すが使用済み核燃料に一般的な意味で火が燃え移っているのではなく、普通の建物の部分が燃え尽きれば鎮火する。それは早い方がいい。温度が上がるのは使用済み核燃料にとって好ましい状況ではなく、努力している。

 ――2号機の格納容器の破損で放射性物質が屋外へ出ている可能性は?

 損傷により一定のものがでている可能性は十分あり得ると思っているが、むしろ今の時点の高い数値については4号機の影響が大きい。逆に2号機の影響や変化は、大きくそれに寄与していないのではないかとみられている。

 ――現時点で周辺住民や首都圏の人にはどういう行動を求めるのか。

 総理からお示しした通り、20〜30キロの皆さんには自宅など建物の中にいていただきたい。ただ、放射性物質が遠方にも微量が飛ぶことは否定できない。しかし、これは人体に影響を及ぼすようなレベルのものではない。当然、遠くに行けば行くほど薄まっていくので、そうした関係を踏まえてご理解いただき、冷静に対応していただきたい。現にこれまで女川原発で計測されたこともある。しかし、それはごく微量で、人体に影響を及ぼすような数値のものではないと報告されている。

 (ここで、福山哲郎官房副長官からメモ入れ)

 20〜30キロ地域の市町村名を報告する。ちなみにその全域が入っていない市町村もある。それから20キロ圏内と重なっている地域もある。広い意味で30キロ圏内に一部がかかっている市町村の町名を紹介する。田村市、南相馬市、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村、いわき市になる。特にいわき市はごく北西の一部なので、大部分の方はかかっていない。

 ――国際原子力機関(IAEA)の天野事務局長が日本政府から専門家の派遣を要請されたと明かしているが、いつ要請したのか。

 日本政府がIAEAに正式に要請したことは承知していない。ただ、地震の発生以来、広い意味での救援活動含めて世界の皆さんに要請しており、こうした事態なので国際的な知見も含めてあらゆる知恵はお借りしたいとは思っている。

 ――昨日の会見で中性子線が検出されたというのが気になるが、再臨界の可能性はあるのか。

 これは3号機の性質から、ここには中性子が出うるということの理解だ。

 ――問題はないのか。

 もちろん中性子は出ない方がいいが、ごく微量検出されたという報告をしたと承知している。

 ――4号機の火災はどれぐらいで消火できるのか。

 まさにいま現場において、そのことをどうやって早く消火するかという努力をしているところだ。

 ――消火後は?

 消火後はその状態を確認しながら、安全に冷却する方法を、もちろん事前からシミュレーションはしているが検証していくことになる。

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