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福島の全避難所で被曝検査開始 被災者らに不安高まり

2011年3月15日21時18分

写真拡大福島県内の全ての避難所で希望者に被曝(ひばく)検査をすることになり、検査を受ける人の長い列が出来た=15日午後0時36分、福島市、水野義則撮影

 福島県の災害対策本部は15日、県内すべての避難所で、被災・避難者が被曝(ひばく)したかどうかを調べるスクリーニングを始めた。福島第一原発の一連の事故で、放射能汚染への不安が高まっているためだ。同原発から半径20キロ圏内にいなかった人も受け付けるため、入場制限が必要なほどの希望者が列をつくった。

 この日は、県の保健所職員や他県からの応援職員ら約30班で対応。福島市の福島工業高校では昼から、白衣を着た約10人の検査員が、胸、腰、足の裏などに放射能測定器をあてる検査を始めた。この避難所には、原発から半径20〜30キロ圏内にかかる浪江町と南相馬市からの217人が避難している。

 「並ばなくても希望者全員が検査を受けられますので、座ってお待ちください」

 検査員がそう呼びかけたが、並んだ約60人は緊張した表情で列を離れない。高校近くの住民も検査を希望して集まったため、午後4時半すぎには入場制限がかかった。

 「スクリーニングはどこでできるのか」。一部地域が半径20キロ圏内に入る田村市には、電話やメールで問い合わせがあったという。

 不安が高まるなか、医師ら医療関係者も奮戦している。屋内退避を要請された南相馬市立総合病院は、原発が2回目の爆発を起こした14日以降、医師や看護師ら約250人に避難の希望を確認。残った100〜150人で診療を続けている。

 患者をできるだけ転院させる措置も取った。金沢幸夫院長(57)は「万一の場合は患者を連れ、自分たちも逃げなくちゃいけない。最悪の事態を覚悟している」。新規の患者のスクリーニングは玄関で対応。だが、患者を優先するため、市民が希望しても断らざるを得ない状況という。

 原発から半径30キロ付近に診療所を置く郡山市の総合南東北病院も、2拠点で医師を含む職員16人が、引き続き診療を続ける方針。広報担当者は「一般住民より先に逃げることはない。ぎりぎりまで診療をする」と話す。

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