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「燃料の買いだめはやめて」枝野官房長官会見全文

2011年3月16日13時34分

 枝野幸男官房長官が16日午前11時15分から首相官邸で開いた記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 私から2点ご報告。一つは国民の皆さんへのお願いをさせていただきたい。

 今回の大震災の被災地ではガソリン、軽油、重油など燃料の状況が大変悪化している。この間、こうした燃料を確保して現地に到達させるべく最善の努力をして、いま、最終的な輸送のラインが必ずしもうまくいっていない部分を、改善すべく努力をしているところ。一方において、ぜひ、全国の皆さんに、全国的なこうした燃料を、今すぐに逼迫(ひっぱく)している状況ではないが、現地にいろいろな所から送っていくプロセスのなかにあるので、ぜひこうした燃料についての買いだめ等のないようにお願い申し上げる。

 全国的なこうした燃料の確保については海外の協力を得て、しっかりと確保しているが、できるだけ現にこうした燃料が届いていない地域への輸送を優先させていただきたいので、ぜひ、被災地以外の皆さんにはこうした燃料類、ガソリン、軽油、重油等の買い占めなどに走らないようご協力をお願い申し上げる。全国的な意味での供給量を確保するためには各国のご協力で、この点には問題ないので、ぜひご協力のほどをお願い申し上げる。

 原子力発電所の件については、すでに報道されている通り本日8時半前後から福島第一原子力発電所3号機の白煙というものが認識されている。これについては現在、その原因を調査をしているところ。なお、それと直接関連するか否かを含めて検討中だが、正門付近の放射線の量、これは時々大きく変動しながら全体としては、身体に影響を及ぼす範囲のなかにとどまっていると認識しているが、詳細は(原子力安全・)保安院から発表させていただくが、昨夜の一時期1000ミリシーベルト(※発言のまま。後の質疑でマイクロシーベルトに訂正)単位の数値を検出したが、今朝ほどは800〜600ぐらいの数値に落ち着いている。

 この正門付近の放射線量が本日の10時過ぎぐらいから急激に上がり、ミリシーベルトの単位に上がったと報告を受けている。このため、必要最小限の作業員の皆さんもいったん、状況を注視するということで、できるだけ安全な地域に一時的に退避をいただいているが、詳細な数字は後ほどきちっと整理した形でご報告させるが、少なくとも10時54分現在、この数値は下がり始めているという状況。

 専門家による分析を鋭意しているが、現在において可能性として一番高いと思われるのは、あくまでも確定ではない、可能性として一番高いと思われるのは、2号炉において生じたように、格納容器の一部から水蒸気が放出されて煙が上がっている。そのため、たまっていた放射性を帯びた水蒸気なので、一時的に高い数値が計測されたのではないかというのが、繰り返すが確定ではない、現時点の分析として最も高い可能性として見られている状況。特に放射線量のモニタリングを中心にして、そして実際に水が流れ続けている状況等の確認等をしていただきながら、最終的にこの事象に対する分析、それに対する対応を決めていくよう急いでいただいているところ。私からご報告することは以上。

 【以下質疑】

 【福島第一原発】

 ――3号機の白煙。爆発音は確認されていないのか。

 報告は受けていない。一番最初に3号機の煙についての情報は8時34分の時点で、白煙が噴き出しているということが直ちにこちらにも報告があったが、それ以外、爆発音等の報告は受けていない。現状ではそういうこと。

 ――格納容器や圧力容器が大きく損傷し、水蒸気爆発を起こした可能性はないのか。

 格納容器の一部が、2号機にもあった通り、一部そこから水蒸気が出ているという状況の可能性が一番高いということだが、もちろん今、現時点で予断を持つことなく、あらゆる可能性を想定して分析してもらっているところ。

 ――圧力抑制室部分ということか。

 そこまでの情報はないが、あの場合の広い意味での格納容器の部分から水蒸気が出たという状況だったと。それに可能性としては近い、部分は別として近いという可能性が一番高い。繰り返すが確定的な状況ではない。現時点の情報から推測される一番可能性の高い状況という報告。

 ――避難は現状のままでいいのか。

 周辺部分のモニタリングの数字が急激にさらに上がったりとかいった状況がなければ、現時点ではこうした状況で変更するものではない。

 ――昨日までの状況でいいわけですね。

 はい。

 ――4号機の状況は。

 4号機については、使用済み燃料のプールに水を入れて冷却するための準備を進めている。今回の3号機が原因と思われる放射線濃度の上昇により若干遅れることが想定されているが、その前の段階まで着々と準備を進めている。

 ――5号機、6号機の状況は。今後、1号機〜4号機のような事態が起こりうる可能性は。

 4号機のような状況を生じさせないように、そちらに対して冷却をしっかり進めるという努力を始めている。また、昨日の4号機の方のプールの温度と比べても、平常時よりは上昇しているが、そこをしっかりウオッチしながら遅れることのないような対応を指示している。

 ――4号機への注水の方法は。ヘリから水をまくことを検討しているのか。やるなら、その時期は。ホウ酸を入れた注水は。

 具体的な作業の内容等については東電に置かれている政府との統合本部から実際に実施する段階でご報告することを予定しているが、ヘリコプターで上から水をかければというご指摘はいただくが、当該プールの状況によっては一気に水を入れるとかえってリスクが高いという可能性もあるので、その検討、しっかりとリスクを分析しながら進めていただいている。基本的には徐々に入れていくというやり方が、こうした場合には安全性が相対的に高いという報告を受けている。

 ――現時点で、4号機に一番入れやすい方法は見つかっているのか。

 最終的に実施を確定した段階で発表させていただく。

 ――東電との事故対策統合本部。どのようにワークしているのか。

 少なくともそれ以前よりも、こちらの本部に入ってくる情報等が相対的にはスピーディーに入ってきているし、特に数値の変化等が見られた場合等の報告などは、かなり早くなってきていると思っている。現地に大臣はなかなか行ったり来たり大変だが、特に細野(豪志・首相)補佐官を中心にして現地の動きがしっかりと、東電の動きがしっかりと、現地の我が方のチームが把握できて、必要に応じて報告や相談があがってくるようになっているので、この連携は相対的に良くなっているのは間違いないと思っている。

 ――広報機能の改善は。

 どのチームから、どのタイミング、どういうふうに、特に平常の状況の時、情報を提供していくのか、今まさに具体的に東電や保安院の方からの発表、官邸からの発表、このへんの整理を順次進めているところ。

 ――4号機。東電側は再臨界の可能性もゼロではないと説明。もし、そうなら早いアナウンスが必要。

 世の中のあらゆることについて可能性がゼロということについては、なかなか言えないという意味では、そういう認識は間違ってはいないんだろうとは思うが、現地点で想定しなければならない、現時点の情報、状態から想定しなければならない範囲として、それを想定した対応を必要とするのかという状況にはなっていない。これはそういうことで報告を受けている。まさにそうしたことを現実的な、リスク管理として視野に入れなければならない状態にならないように最大限の努力をしている状態。

 ――1号機から3号機の状況は。

 具体的な数字等はそれぞれ東電や保安院から出していただくということでお話をしている。

 ――現在の放射線量の増加は、3号機の格納容器が破損して、外部に放射性物質が漏れ出している可能性があるということか。

 念のため申し上げるが、従来も3号機からも中の圧力を下げるために水を入れる、水を入れる前提としては空気を抜くと。水蒸気は上がっているから。従ってそこから放射性物質が外に出るということは、より悪い状態をつくらないためにやむを得ない措置として続けてきている。そうしたなかで、それ以外の部分からも出ている可能性が今回生じているということ。

 ――4号機は冷却のための注水作業はできていないのか。

 いま注水作業をできるだけ早く進めるべく、準備の作業を徹夜で進めてきていただいている。最終的に実施にあたっては報告が来ることになっているが、まだそれは来ていない。一方で、3号機の方の影響。これは間違いなく、これだけの数値が一時的でもミリ単位で出ているので、いったんは状態を見ていると思っている。3号機の状況を見ながら、万全の準備を整えて。ただ水を入れればという話ではないので、そのことによってリスクを高めることのないような万全の検討と準備を進めているところ。

 ――装備が充実している米軍などに今後、支援を要請する考えはあるか。

 この間、米国に限らず、各国からいろいろな支援のお申し出、地震全体についても原子力発電所についてもいただいている。そして、米軍の協力を場合によっては必要とするということの中で、すでに物資の点ではポンプ車のご協力をいただいている。ということをはじめ、ご協力をいただいている。さらに具体的なことを今後詰めてもらえるように、今態勢を整えているところだ。

 ――米軍の協力を必要とするのは、物資支援以外で実際に放水、ホウ酸を落とすなどの作業に米軍があたる可能性があるということでいいか。

 まさに今、調整をしているので。何をどうやっていただくのかというのは、調整の結果だ。

 ――同じく4号機の件。ヘリでの放水はリスクが高いというが、そのリスクとは。いま着々と進めているのは地上からの放水と理解していいか。

 はい。いま進めているのは地上からという報告を受けている。上からやる場合には一気に水を落とすということが基本になるようだ。また、例えば、何か起こったときに、空中に、ヘリコプターの安全性を保つことがどの程度できるのか。というようなことを総合的に分析していただいている。

 ――緊急炉心冷却装置の復旧作業について、東電が新たな送電線設置に着手するということだが。この作業の見通しは。

 詳細はむしろ、東電のほうにお尋ねいただければと思う。

 ――復旧にあたったほうが抜本的な解決にはいいということか。

 もちろん、電力が安定的に供給されるほうが、対応は相対的にはやりやすい。

 ――冒頭、放射線量の発表があったところで、昨夜の数値について長官はミリシーベルトと説明したが、マイクロシーベルトか。

 あ、昨夜の数値はマイクロシーベルト。数値を申し上げたのは。すいません。失礼しました。マイクロシーベルトで、一定の範囲内での変動だった。今日のさきほど10時台に、これがミリシーベルト単位だったということで。これはその状態が継続することは大変、好ましくない。ただ、私が会見に入る直前の10時54分現在では急激に下がっているという報告を受けている。

 ――昨日、都内でも微量の放射性物質が検出された。都内でも自宅待機の指示を出した会社もある。首都圏の住民も不安を覚えている。避難の指示をしている以外の地域、近隣県、首都圏の方に注意することは何かないか。

 ここはぜひ、多くの皆さんに認識を共有していただきたいと思うのは、私どもは日々の生活の中でもいわゆる放射線を浴びている。それから例えばエックス線写真を撮る場合には、一時的に大量の、すいません、ここは専門家が本来、説明すべきだと思うが、放射線というべきか、放射能というべきか、受けている。あるいは、上空に行けばその濃度が高くなるので。よく、みなさんのメディアの方での説明にもよくあるが、例えば東京ニューヨーク間を飛行機で往復すると、これくらい、普通の状態よりも受ける。

 こういったことが報道されているが、こうしたことは原子力安全委員会での報告からも同様のことを言われている。そうした中で、今回の原子力発電所の事故の結果として、それによる放射性物質が、一定の地域に、これは当然広がってまいるが、まさにそれが、人体に直接、影響を及ぼすような濃度のある可能性のあるところについて、退避や室内にとどまっていただきたいということをご指示申し上げているので、それ以外の地域については、今の状況から判断すると、測定はされても、生活に直接影響与える、健康に直接影響与える数値ではない。これが、専門家、原子力安全委員会を中心とする判断だ。ただなお、もちろん、国民の皆さま、それでも不安だろうというふうに思うので、文部科学省、電力会社、警察庁、防衛省など、総力を挙げてモニタリング態勢を強化して、なおかつそれを、できるだけコンスタントに国民のみなさんに提供するシステムを昨夜来、徹夜で作り上げていただいており、これについてはまもなく、最初の発表なり報告なりが、できるのではないかというふうに思っている。文科省の方で発表することになると思う。

 ――最悪の事態が起きた場合、今の避難地域の設定で十分か。今後避難地域が拡大するか。

 もちろん、あらゆるケースを想定して、どういった安全対策が必要なのかシミュレーションは専門チームにしていただいているが、現時点で想定される範囲においては、現在の避難の状況の中で対応していけるのではないか。もちろん、新たな事象が生じた場合は、その時点に備えたシミュレーションはしている。

 ――どういった事象があれば、避難地域を広げるのか。

 それは、まさにそうした現象が起きていないわけだし、いま、起こさないための万全の措置を進めている。何か起こりそうだという可能性が高まれば、当然、その時点で対応を進めていく。

 【物資の買い占め】

 ――首都圏のコンビニでなどで食料品などが品薄になっている。買い占めが行われている可能性も予想されるが、何か呼びかけがあれば。

 いま、生活関連物資について、現地の皆さん、被災地の皆さんにしっかりと届けるということについて全力を挙げている。全国的なレベルでみれば、もちろん、若干、例えば、急いで輸入しなければならない部分等があるとしても、全体として生活が大きく困るような物資の不足は、全国レベルで見れば生じていない。

 従って、被災地以外の皆さんにおいては、ぜひ買いだめ等のことのないように。結果的にそのことが、物資の調達に支障をきたす。そのことが、いま、主に輸送のところで苦労しているが、結局、被災地の皆さんに届けるべきものが、必要最小限のものが、足りなくなってしまうことにつながりかねないので、全国的にある物資の量の中では、しっかりと現地に送っていくことができれば、現地の皆さんの生活の最低限のところを支えることができる。だから、ぜひ、いま、特段の影響を受けていない地域の皆さんは、買いだめ等で結果的に被災地の皆さんにご迷惑をかけることのないように、お願いしたい。多くの国民の皆さんは、そうした理解のもとで対応していただいているという心境。

 ――燃料の買い占めが原因で、支援物資が届いていないということがあるのか。

 いくつかの要因が複合的に絡まっている。ひとつのところを解決すれば、解決するという問題ではない。したがってこれも昨夜来、さらに輸送をスムーズにするためにということで、関係各省で、同時に色々なことを動いていただくという作業をしている。そうした中で、冒頭申し上げた燃料については、私たちも大きな要因のひとつと思っているから、関係機関からも、買いだめ等のないようにということを、ぜひ国民に周知していただきたいという要請があったで、特に冒頭、申し上げた。

 ――関係省庁から業者に指示はしているのか。

 業者の皆さん、民間の石油関連の業者の皆さんの努力、運搬を含めて、努力と交通機関の確保と、どういった時点でどういう風に不足しているのかという状況の把握と、総合的な中で現地のガソリンが不足しているという問題を解決。一方で、被害が相対的に多くなかった地域でのガソリンが、民需を中心に不足していることを、しっかり解消していく、この両面を全力を挙げていく。

 【枝野官房長官の公務】

 ――昨日、長官公邸に泊まったが、何か考えがあったのか。

 被災地の皆さんは厳しい中でご苦労している。官邸としてはそうした状況のなかですから、とにかくあらゆる作業、対策を進めてきているが、かなり多くのところからしっかりと適切な判断をすることが重要であると。もし適切な判断力が落ちている状況の中でいろいろな判断をしなければならないと結果的に被災地の皆さんはじめ国民に迷惑をかけるので、しっかりとした判断力を維持できる程度の健康管理をするようにとの指摘をいただいたので、正直、個人的には後ろ髪引かれる思いだったが、同じ敷地の中で何かあってもすぐに対応できるという状況のなかで執務室ではなくて公邸に寄らせていただいた。これは総理もこの間、公邸、自宅に帰っていないので、ここは若干のローテーション、状況を見ながら、適切な健康管理のもとで適切な判断ができるための最低限のところの対応は、むしろそれをしっかりとやることが責任と思っている。

 ――きちんと睡眠はとれているか。

 なにをもってきちんとというか難しいが、少なくとも私の職責上、しなければならない判断に悪影響を及ぼさないように努力している。

 【電力供給】

 ――電力不足を供給で増やす手段は考えているか。

 現時点では今回の地震によって、被害を受けている火力発電所などについての復旧に全力を挙げている。ただ原発についてはまさにこうした事態が生じているところなので、より万全な安全性というものが求められている。従って、これは当分の間、電力の供給量はある程度制限されるということのなかで国民生活への影響をどう小さくするかということで、ぜひ国民には節電の協力をお願いしたい。電力の使用量が少ないなかで、日本経済や社会生活を機能させるということに向けてさまざまな対応を準備を進めてまいりたい。

 ――火力発電所の復旧のめどは。

 具体的なことは経産省(資源)エネルギー庁にお尋ねいただきたい。私どもの方からは、とにかくできるだけ早く対応していただきたいということは経産省を通じて求めている。

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