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パニック的買いだめ、燃料不足に拍車 供給減に追い打ち

2011年3月16日23時42分

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写真:ガソリンを求めて並ぶ車の最後に品切れの張り紙をした車両が止まっていた=16日午前8時41分、盛岡市、杉本康弘撮影拡大ガソリンを求めて並ぶ車の最後に品切れの張り紙をした車両が止まっていた=16日午前8時41分、盛岡市、杉本康弘撮影

図:操業を停止している製油所拡大操業を停止している製油所

 東日本大震災の影響で、東北地方ではガソリンや軽油、重油など燃料不足が深刻になる一方、首都圏では「買いだめ」が広がっている。燃料はなぜ不足しているのか。いつ回復するのか。Q&A形式でまとめた。

 Q 東北地方のガソリン不足が問題になっている。

 A 道路の寸断がなにより大きい。太平洋側の港湾施設が損壊したので、石油会社は関東地方や日本海側からタンクローリーで運びこもうとしている。しかし、道路網もずたずたで、なかなか被災地に届けられない。病院や救助、災害復旧に優先して振り向けている事情もある。

 Q 首都圏のガソリンスタンドでは行列ができて、売り切れが続出している。なぜなのか。

 A 震災の影響で供給力が一時的に大きく減ったからだ。今年1月時点で国内には27の製油所があり、原油処理能力は一日あたり451万バレル。ところが、震災で火災を起こした東北唯一の製油所であるJX日鉱日石エネルギー仙台製油所(仙台市)をはじめ、東北と関東にある製油所九つのうち六つが操業停止。一日あたり100万バレルを超える原油処理能力が止まった。JX仙台製油所は15日に鎮火したが、復旧には一定の時間がかかるとみられる。

 供給力の不足に追い打ちをかけたのが、首都圏の利用者の「買いだめ」だ。石油業界関係者によると、コスモ石油千葉製油所(千葉県市原市)の火災をテレビで見て、急いで給油しなければ、とガソリンスタンドに走った人もいるようだ。店頭の在庫は普段の量しかなかったから、次々と在庫切れになり、利用者の不安が高まった。

 Q このまま足りない状態が続くのか。

 A 石油関係者は「(供給危機となった)オイルショックでは断じてない」(石油連盟)と口をそろえる。というのも、石油業界はもともと国内の原油処理能力の過剰が問題になっていた。ざっと一日あたり100万バレルが余剰とされていただけに、被災していない製油所の能力で国内需要をほぼまかなえる計算になる。需要の多い首都圏でも東燃ゼネラル石油川崎工場(川崎市)、JX根岸製油所(横浜市)、極東石油工業(千葉県市原市)が数日程度で復旧し始める見通しだ。

 東北地方でも出光興産が17日から、宮城県塩釜市の油槽所(ガソリンなどの貯蔵タンク)で在庫の出荷を再開させる。「これまで秋田や新潟方面から仙台まで往復11時間ほどかけて運んでいたが、塩釜からなら往復約4時間で運べるようになる」という。石油各社による塩釜の共同利用や、鉄道を使った輸送も検討されており、供給を増やすための作業が本格化している。

 Q 国の対策は?

 A まず石油会社のガソリン供給を促すため、各社に義務づけていた備蓄量を70日分から67日分に減らした。備蓄は非常時に備えて基地に蓄えておいたものだ。

 また、枝野幸男官房長官は16日の記者会見で、海外からの燃料の調達を進めていると表明。国民に向かっては「買いだめはしないで」と呼びかけた。いまの状況は、消費者のパニック的な買いだめが一因だから、私たちも冷静になることが必要だろう。

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