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米駐日大使、自国民へ原発80キロ圏内から避難勧告

2011年3月17日10時53分

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 【ワシントン=村山祐介、望月洋嗣】米国のルース駐日大使は17日未明、東日本大震災による東京電力福島第一原発の事故の深刻化に伴い、同原発の半径80キロ以内にいる米国人に避難するよう勧告した。日本政府が指示している半径20キロ以内からの避難では、米国内の安全指針を満たせないと判断した。

 カーニー米大統領報道官はワシントンでの16日の会見で、今回の措置について「日本政府とも協議した。米政府がこうした勧告をすることについて、日本政府ははっきりと認識している」と述べた。米原子力規制委員会(NRC)は「あくまで米国人に対するもの」と強調している。

 ルース大使は声明で、(1)同原発の半径80キロ以内からの避難(2)安全に避難できない場合には屋内へ退避――するよう呼びかけた。NRCやエネルギー省など米専門家による検討を踏まえ、米国内で同じような状況になった場合に適用されるNRCの指針に沿った「予防措置」としている。天候や風向き、風速、原子炉の事故であることなどから、半径80キロ以内では放射能汚染の危険性が増すことや、低レベル放射性物質が広範囲に拡散する可能性を考慮したという。

 日本政府は現在、同原発から半径20キロ以内に避難を、20キロから30キロ以内に屋内退避を指示している。米政府も16日時点では、日本の指示は「我々の専門家と一致している」(ルース大使)としていた。NRCは同日の声明で、避難範囲を広げたのは、住民に許容される年間被曝(ひばく)線量を10ミリシーベルトとする計算に基づくとしているが、福島第一原発4号機の燃料プールの冷却水の状態の悪化など新たな状況も加味した判断とみられる。

 米国務省のトナー副報道官代行は16日のワシントンでの会見で、「事態が非常に流動的なのは明らか」と指摘し、「現場の米専門家の評価に基づくものだ」と独自判断であることを強調した。被災地の米国人を避難させるための交通手段の手配も検討しているという。

 一方、米国防総省のラパン副報道官は16日、救援活動にあたる米海軍などの要員に対し、同原発の半径80キロ以内への立ち入りを禁止したことを明らかにした。また、航空機に搭乗する兵士らには、同原発から約112キロ以内に近づく際に、ヨウ素剤を服用するよう指示した。米軍は同原発の消火作業に直接は関与していない。消防車2台を提供したものの、運用は日本側がすることになるという。米軍は東北沖など日本近海に13隻の艦船を展開し、災害支援活動を続けている。

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