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枝野官房長官の会見全文〈18日午後4時48分〉

2011年3月19日0時35分

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 枝野幸男官房長官の18日午後4時48分からの記者会見の内容は次の通り。

 【冒頭発言】

 未曽有の大地震、大津波から1週間が経過した。この震災で亡くなられたたくさんの皆さんに改めてご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災をされた皆さんにお見舞いを申し上げる。いまなお多くの皆さんが食べ物、あるいは暖をとる手段、いろいろなものが不足をしている中で、避難生活に耐えておられることに、政府として本当に忸怩(じくじ)たる思いだ。全力を挙げて、こうした皆さんの状況を少しでも改善をしていくために、さらに全力を挙げてまいりたいということを地震発生から1週間のこのときに改めて決意をいたしているところだ。

 【以下質疑】

 【閣僚の増員】

 ――この事態で大臣を増やす必要はあるのか。現体制で乗り切るのは不可能なのか。

 内閣の立場は法律にもとづいて内閣総理大臣が選ばれて、その法律に基づいて行政業務をしっかりと責任をもって遂行するということ。現在の内閣法では17人の国務大臣が定められているので、その定められた定数の中で全力を挙げるということがその責任だと思っている。もし、こうした大災害という事態を踏まえて国会で異なった決定をしていただけるなら、そのことをその時点で有効に生かさせていただきたい。

 ――閣僚の数が足りなくて対応できないとの認識があるのか。

 これは、人事権が内閣総理大臣の専権事項なので私の立場からどこまで申し上げていいのか、なかなか難しいところがあろうかと思っている。ただ、ここまでの1週間は、あらゆる意味で危機対応ということで、国会のほうも審議なくご理解いただいているし、震災、広い意味での原子力のことをも含めてだが、これ以外のことは、ほとんど待っていただいている状況だ。

 ただこの間、震災対策の陣頭指揮を官邸の危機管理センターでとってきていただいている松本防災担当大臣、この間はそれに専念していただいてきているが、いずれは環境大臣を兼務しているので、環境大臣の業務がでてくるということは、なかなか難しいだろうなということは率直に思っている。

 私も官房長官、様々な役割があるし、沖縄の問題、北方対策の問題、大変重要だが、両方を危機対応含めて対応していくということが果たして中期的に可能かどうかということはあろうかと思う。ただ法律に定められて、それに基づいて仕事をするので、いかなる状況でも万全を期して全力であたるということだと思っている。

 ――岡田克也・民主党幹事長から3人増員と野党に提示があった。

 繰り返し申し上げるが、具体的な人事は、閣僚人事は、内閣総理大臣の専権事項なので、それは私の立場から何か具体的に申し上げるべきことではないと思っている。

 【福島第一原発】

 ――放水、電源の回復など現時点の網羅的な状況は。

 電源を外から引いてきて、という作業については進んでいるとの報告は受けているが、まだそれによってどこかの部分が外部電力によって復旧したという段階にはいたっていない。いま放水をいったん行って、いったん今の段階ではそちらの方を、この直前の段階では、電力の供給の方の作業をしているとの報告を受けている。放水については、すでにご承知の方が多いと思うが、本日の午後3号炉に対する注水を行い、いまメンバーを入れ替えて、引き続き3号炉に対し、さらに今日中に継続できるかどうかという状況だと聞いている。

 ――東京消防庁は。

 具体的なチームについては消防庁、自衛隊、米国から提供いただいている放水車、これは東電の職員なりが運用しているようだが、こうしたものを順次駆使してやっているという報告受けている。

 ――3号炉の注水作業、現在燃料プールにどの程度水が入っているか。

 現時点で確定的なことを申し上げる段階ではないと思っている。ただ水蒸気等が放水にあたって出ているということから、プールの方に注水がいっているということについてはほぼ間違いないだろうという報告を受けている。

 ――東海地震があるのではないかと気象庁。浜岡原発を停止させないのはなぜか。社民党の福島党首も申し入れている。

 福島党首をはじめとしてそういったご意見があることは承っている。あらゆることについて、こうした危機的な状況にあるので、この件に限らず、いま政府はあらゆる問題について、一定の前提をおかずに様々な声を受け止めているという段階。

 【計画停電】

 ――計画停電。本日、東電の技術者に聞いたところ、電力量の数字は東電側から政府に提出していると。

 それぞれの個別の日々によって時間帯によって電力需要の見通しについては変化しているが、それぞれについて一定の報告は受けている。

 ――東電の数字をもとにしているということですね。

 計画停電についてですか。

 ――電力需要量。計画だろうがなかろうが。

 国民の需要量と実際の需要で使われた電力量、それぞれについて、そのつどそのつどではないが、報告を受けている。

 ――政府のオリジナルの数字は持っていないということですね。

 これは当然、電力消費量は電力会社が供給しているものだから、その消費量を把握できているのは当然東京電力。

 ――東電の言いなりじゃないか。

 実際の需要見通しだけではなくて、実際に供給された電力量、消費された電力量についての報告も受けている。

 【福島原発その2】

 ――ロシアの非常事態省が自らの専門家支援部隊を派遣すると。対応は。

 各国から様々な支援についての申し出を受けている。その中で特に原子力発電所関連については、米国とすでに専門家も日本に送っていただいており、専門家のレベルでもディスカッションをしっかりと進めていただき、こちらの状況、そしてそれを踏まえての米国側の対応をしていただける、ご協力いただける内容などについては、ディスカッションしていただいている。それ以外の国についても様々な申し出と、何を提供していただけるかということ、そしてこちらの側の、特に専門家レベルでの原発については必要とされている知識、情報、あるいは態勢等について専門的レベルでのご判断、ご意見を踏まえて、一義的には米国や外務省を窓口にお話ししていただいていると聞いている。

 ――現状では米国だけか。

 原子力発電所のことについて具体的に専門家を日本に送っていただいているのは米国、それからIAEA事務総長が日本に今日来られたのでIAEA。

 【体調管理】

 ――枝野さんは寝ているのか。

 現地で本当に厳しい状態で寒さに耐えて眠れないという方も少なからずいらっしゃるという状況。あるいは、救援、救難活動に現場で努力をしていただいている自衛隊の皆さん、警察の皆さん、消防の皆さんはじめ、あるいは医療関係、本当に不眠不休でやっていただいている。それだけではなくて、例えば様々な行政機関の皆さんも不眠不休の努力を続けていただいている。私自身も、もちろん政治家の役割、責任はまさに判断することだと思っているので、その判断に悪影響を与えることは結果的に国民の皆さんにご迷惑をおかけをすることだと思っているので、その判断に悪影響を及ぼさない範囲で、最大限やらせていただいているつもりだ。

 【福島原発その3】

 ――官邸に情報が上がっていない、官邸が誤情報をつかまされているのではとの危惧がある。海外に情報を出しているが、齟齬(そご)がある。アメリカ、イギリス、フランスは福島原発から80キロ圏外への避難を言っている。日本政府は30キロ。地域住民が心配している。

 原子力発電所からの退避指示の内容については、いくつかの国が日本におられる自国民に対する指示等の内容と政府が発表している内容が確かに異なっている。しかしながら、これは海外におられる自国民保護という観点からは、一般的に求められている水準よりもより保守的な水準で様々なことを指示するのは、それぞれの政府の当然の対応だと思っている。私が同じ立場、つまり、日本の国外で同種の事態が生じて、日本国民の退避について様々な判断をするにあたっては科学的、客観的に適切だと思われる数値を超えて、様々な指示をすることは当然、自国の政府の責任としてあり得ると思っている。

 日本政府としては、いま様々お話あったが、いま私どもが把握している専門家の意見を含めたデータのなかで適切と思われる退避に対する指示等を出している。その数字の違いについては、アメリカ政府の方のなかからも日本政府の判断は適切であるという趣旨のご発言も出ていると承っている。

 ――オバマ米大統領は80キロ圏外に出ろと発表。

 それは我が国のまさにきちっと責任ある立場として実際に得られているデータ、情報、専門家の分析に基づいて、日本政府としては国民の皆さんに対して適切な判断として、いまの指示をさせていただいている。しかし、各国のそれぞれの政府が外国にいる自国民保護の観点から、様々な判断に基づいてそれと異なることをなさることは、逆の場合でも私は当然あると思っているので、あり得ることだと思っている。

  ――長官は1週間前は3キロと言った。それから10キロ、20キロ、30キロと。不信感を生む結果になっている。

 私はそれぞれの事態の状況に応じて、その時点で必要とされる判断を専門家の皆さんの意見をふまえて政府として判断したものを伝えさせていただいている。この間、事態は変化をしてきている。それぞれの状況、現状を踏まえて、その時点でより事態が、万が一悪くなることも想定しながら、その時点でとりうる策を指示しているのであって、状況が1週間前と同じなら、それは1週間前の判断が間違っていたということだと思うが、いま時点の様々なデータ、それから現地の状況から考えて、いま想定される事態のなかでは今の水準で退避をしていただきたい。こういう指示をしているところ。

 ――オバマ大統領の80キロ圏外への避難勧告の説明では、米国民の安全を確保するため慎重な評価と指針に基づいた決定と。客観的、科学的なものを超えて判断しているわけではないと思うが。

 前提として私が申し上げたのは、それぞれの国がそれぞれのご判断があるということはあり得ることですと申し上げた。それぞれの国がどういう事情を判断要素に入れているのか、まさにそれぞれの主体的なご判断だと思っている。私が皆さんにぜひお伝えしたいのは、今の時点でしっかりと政府として把握をしている様々なデータと、現地についての把握している様々な状況・情報と、専門家の皆さんのそれに対する分析に基づいて、国民の皆さんの健康に影響を及ぼさない。

 いまの時点から当面の時間予想される事態というものの範囲内で必要な措置はしっかりと判断して、お示しさせていただいている。それ以外の様々なご判断、ご意見があるのは、こういったものについては当然のことで、逆にこうした広い退避は必要ないではないかというご意見も、実は一部からはいただいている。しかしながら、様々なデータとしっかりとした、例えば原子力安全委員会や原子力安全・保安院の皆さんのご意見を踏まえて、そして国民の皆さんの安全をしっかりと守るという観点から政府として決定した。

 ――12日朝、首相が福島原発に出向いた。経緯は。

 6日前のことで、その間、様々なことがあって、率直に申し上げて詳細な、特に時系列的な段取りは今この場で記憶を頼りに申し上げると正確でない恐れがあると思っている。基本的には菅総理がこうした事態に対しては現場の状況をしっかりと把握することが重要だということで、総理のご判断で行かれたことは間違いない。

 ――その判断は何時ごろか。

 まさに今この事態そのもの1週間、様々な事態があったなかで何時ごろとおたずねをいただいても、記憶で申し上げると誤りがあるといけないので、それは申し上げられないことはご容赦下さい。

 【首相会見】

 ――大震災から1週間。日本の最大とも言える危機を克服するために、全体的、包括的な計画、指針を首相から発表する予定は。原発への対応を含め、首相と長官で話していることは。

 この間、私の会見は、まさに官房長官という役割は、総理に代わって様々なことを発表させていただく。もちろん、先ほどの人事の話のように総理に代わっての立場ではお話し申し上げられない種類のこともあるが、そういう立場で国民の皆さんにもメッセージを発信させていただいている。いまご指摘いただいたようなお話については、私も何らかの形で総理から国民の皆さんにこういうことでやっていこうということをお示しする機会が必要だろうと思っている。

 一つは今日がちょうど1週間という一つの区切りなので、今日のようなタイミングがいいのか。それとも、今まさに目の前の原子力発電所の安全性をしっかりと現状で踏みとどまって、そしていい方向に変えていくという一つの大きな大事な時期であるということ。それからまさに被災者の支援ということに全力で取り組まなければならない時期なので、どういうタイミングで、どういうふうにそうしたメッセージを発信するかというのは、様々な事情を考慮しながら、まさに今日そうしたメッセージのある部分を出すかどうかを現時点でも検討している。日々検討しながら適切なタイミングで示していきたいと思っている。

 【福島原発その4】

 ――原発事故収束と退避指示解除にはどれくらいの時間かかるか。

 こういったときに楽観的なことを話すのはよくない。今の時点では、まずは冷却をしっかり行ってこれ以上事態が悪い方向に進まない、この状態をいま放水などによって確保しつつあるところだ。これが次の段階では収束の方向へと向かっていける時期がどの時期になるのかというのは、今進めている自衛隊、消防、警察、東電の皆さんの努力の結果によってはっきりしてくるところだ。その先の見通しは、その時点ではじめて申し上げる。その時点でもまだ申し上げられないかもしれない。まずは事態のこれ以上の悪化を食い止めて収束する方向にもっていくことに全力を挙げている段階だ。

 【原子力政策】

 ――成長戦略で示した原発の輸出は、どう変わっていくのか。

 原発については福島第一原発で起きている事象が国民の健康に被害を与えるようなことにならないように、これ以上の事態の悪化を防ぐべく全力を挙げているところだ。従って、そのことと、先程指摘いただいた稼働中の発電所のことについては、今の時点でも検討しなければならないことだと思っているが、先のことについては目の前の事態を対応しきった上で判断していかなければならない。

 ――各国でも原発政策の見直しが進んでいる。エネルギー供給のうえでどうしていこうと考えているか。

 まずは今の事態においても東北、首都圏、相当電力消費量を抑えるということをやらないと供給が追いつかない状況であるのは間違いない。もちろんそういったことをいま計画停電で不便かけているので、同時にこちらの対応しているが、全体の原子力政策をどうするかということについては、こうした事態を対応した上で検討しなければならない。

 ――被災地から離れた原発についても、電力需給について調整がつくならば停止することを検討しているのか。

 いえ。最初の質問に申し上げた通り、こういう時期だから、原子力の問題に限らず、ありとあらゆる意見、提言については予断を持たず、すべて話題に載せるということだ。

 ――原発の新規立地の計画についてどう考えるか。

 いずれにしても、いま、政府の側の原子力関係の関係者は総力を挙げて福島第一原発の事態の収束に向けた努力に取り組んでいる。いずれにしてもこれが収束の方向がはっきりするということになるまでは、それ以外の部分については前に進めることはあり得ない。

 【福島原発その5】

 ――米原子力規制委員会委員長が福島原発事故の収束について「数週間単位だろう」との見通し。米政府が見通しを示し日本政府が示さないのは、危機管理の観点からあり得ない。見通し不能ということか。

 収束というのが何をもって収束というのか、いろんな段階がある。もう一つは日本政府は国民に正しい情報を伝える責任がある。従って、確実な見通しでなければ日本政府としては示すべきではない。さまざまな立場、意見の中ではいろいろな見通しがあり得るだろうと思うが、責任ある立場以外の皆さんから、見通しがいろいろあることは当然だが、政府が見通しを言う以上、ほぼその通りになるという確証がなければ申し上げるべきでない。

 ――放水の見通しは。

 今、現に、電力、外からの電力を引っ張ってくる作業をしている。これがどれぐらいの時間でできあがるのか、そのことによってどれぐらいのさまざまな危機が回復するのか、同時にさまざまな修理補修が必要なのか、まさにいま、目の前にやらなければならないことを、特に現場の皆さんは全力でやっている。そうした情報がなければ見通しも立てることはできない。今は事態の悪化をこれ以上食い止めるための万全の措置をとって、何とかこれを収束の方向に向かわせるための、特に現場の皆さんは大変厳しい環境の中で全力を挙げている。見通しを立てるために情報を上げろということを現場に申し上げられる段階でない。

 【計画停電その2】

 ――週末の計画停電の見通しは。

 東電からは、土日月の連休中も計画停電を実施する予定であるという報告を受けている。

 ――週末に大規模停電はあり得るか。

 計画停電に関する報告の時は、ほぼ申し上げてきていると思うが、今の電力の供給量からすれば、皆さんが普通に使えば、不測の大規模な停電が起こりえる。供給量が需要より足りなくなってしまうということが想定できる。だからこそ計画停電を実施している。しかも、鉄道、交通網については一定程度動かさないと生活に対する影響が大きいということの中で、ぎりぎりの努力をしていただいて鉄道運送を確保することをやっていただいている。

 従って、節電がなされないという状況があれば、そういったことは一般的にあり得る状況はずっと続いている。だからこそ計画停電を行っている。その中でも特にそれぞれの日の需要の実績を踏まえて、あるいは天候の見通しを踏まえて、昨日はそうした可能性が高まったということで、東電からも発表があり、経産相なども実際の需要のデータも踏まえてそうしたメッセージを発したものだ。

 【災害対応】

 ――政府は最悪の場合どういうことを想定しているか。

 最悪の場合というのは、どういったことの意味を指すのかというのは、例えば、何もない状態で日々いる時に想定されている最悪の事態というのは常に最悪の事態としてある。今現に震災が生じている。あるいは原発については事故が生じているという状況の中で、今の状況から次の段階として悪化をした場合があり得ることについて想定しているということであるが、今のところそうした方向に向かっているのではなくて、そうした状況を食い止める努力が一定の効果は上げているという状況だ。

 【被災者支援】

 ――被災地への物流について。災害対策基本法に基づく日本通運、トラック協会の仲介、都道府県からの協定委託、その他自治体と錯綜(さくそう)していて、現場ではドライバーも混乱している。政府として統制、整理する必要はあると考えているか。

 この間、率直に申し上げて未曽有の大地震と大津波が日本を襲った。その結果として、一般的な災害対応として想定をされていない事態が多々生じた。たとえば、基本的には被災されている住民に対する食べ物の供給、サービスは市町村が主体となり、それを都道府県がサポートする法体系となっている。しかしながら、現場の市町村の役場自体が機能を果たしていない。

 そもそもどういった被害実態にあるのかということが、県庁にも報告をされない。さまざまな事態が生じた。実際にその場に救命を待っている方もいる。実際に避難所等で救援を待っている方もいる。たとえば自衛隊の燃料等を、直接、自衛隊の持っているものを提供するなどという、これまでなかった異例の措置などさまざまに現実に連絡が取れていない、その他の輸送手段がない被災者の皆さんとのところに対応していく、まさに危機対応をしてきた。

 一方でそうしたやり方が長時間続くことは出来ない。本来のルートを復旧しながら、本来のルートをできるだけ増やしていくという努力を重ねている。それが錯綜している段階では、若干現場の当事者の皆さんにはご迷惑をかけている点があろうかと思っている。しかしながら、徐々に本来のこうした場合に想定されているプロセスにさまざまな物資が届けられる方向へ進めている。ただ、それをしゃくし定規に行政的に進めてしまうと、実際に現場に、別のやり方では届けられるのに届かないということがあってはいけない。慎重に進めている。こうした段階だ。

 ――災対法はかなり古い法律。日通だけが指定機関になっている。ヤマト運輸など大きいところを増やす考えは。

 現実には被災地に物資を送り届けることについて、実際にその業務を行っている皆さんに対しては道路の状況、事情等を踏まえながら、相当柔軟かつ広範に、緊急車両の高速道路を使えるような手続きなどを進めている。いわゆる法的な手続きとして出す必要があるかということは受け止めたいと思っているが、現実には指定機関であるかないかにかかわらず、現実として必要な輸送の車両等については対応をしてきている。民間の皆さん含めて対応していただいている。

 【首相の視察】

 ――3連休に首相が被災地に入る予定はあるか。

 まだ確定してない。これはなかなか正直言って難しい判断だと私は思っている。まさに危機の最高指揮官である総理自らが被災の現地に訪ねて、その現状を見、それからその現場の皆さんの声を少しでも直接お伺いをしてくるということは、大変意義のあることだと思っている。一方で、いくらこちらの方からお願いをしても、総理が現地に伺うということには、一定のエネルギーが受け入れ先にかかる。そのことも状況によっては、十分考慮しなければならないというふうに思っていて、今検討をしている。ただ、やはり震災から1週間を越えてということは、避難所にいる多くの皆さんが1週間を越えて、避難所における大変不便な、不自由な生活をされているという状況の中にある。もちろん、そうした現場の実情や声はしっかりと総理のところに、官邸にも届いているが、直接見る、直接聞くということの意義の大きさというのは、非常に高まっているのかなあと私は思っている。

 【被災者の集団避難】

 ――避難所がいま不便な状況になっているということで、午前中の会見でも被災者をほかの地域に移すという考え。宮城県知事も集団疎開を呼びかけた。こうした被災した自治体とどうやって連携するか、検討状況は。

 疎開という言い方が適切であるのかどうかということはあろうかと思うが、特に病院、あるいは介護施設、あるいは高齢者の方、妊婦さん、さまざまないわゆる震災弱者といわれる方をはじめ、今回の震災は大変広範囲に被害が及んでいるということ。それから特に津波の被害地においては根こそぎ持っていかれて、その復旧には相当な時間がかかるだろうと思われること。さまざまな事情を考慮すると、当面の生活を全国各地の皆さんにご協力をいただいて、ということについてはかなり具体的にこの間も検討してきている。それぞれの関係自治体ともご相談しなければ、国でこうやるといっても受け入れていただける自治体、送り出す側の対応も必要。こうしたことについては、いま鋭意調整を進めている。

 ――受け入れで前向きな自治体はあるのか。

 どの程度の、どういう受け入れならばということは、それぞれ受け入れ自治体の皆さんにもお考えがあろうかと思っている。実際に受け入れ可能な範囲がどれぐらいあって、そうした皆さんはどれぐらいの期間とかを想定されているのか等を踏まえないと、実際にはかけ声をかけても動かないということであってはいけない。実際に動く仕組みに向けた調整を進めている。そう遠からずこうしたことに具体的着手ができるのではないかと思っている。

 【福島原発その6】

 ――今回の責任。東京電力に責任あると考えているか。

 こうした大きな地震、それにともなう津波、そこから生じた原子力発電所の事故。いずれについても国民の生命財産を守る、そのために救命、被災者支援、さまざまな対応について政府が総力を挙げて、全力を挙げて取り組む、その一点で菅総理以下、全力を挙げているところ。その対応については、現に被災地の皆さん、大変寒い中で食料が十分に行き届いていないところも少なからずある。大変ご不便ご苦労をおかけしている。さまざまなご批判もあろうかと思うが、まず私どもは全力を挙げて万全のできる対応をとるということで取り組んでいる。

 ――IAEAの天野さんが菅首相に会い、福島原発の情報開示についてさらなる努力をお願いしたいと。改善点があるとすればどういうこと。何が足りなかったと思うか。

 情報の開示については、官邸としては入手した情報はすべて国民に公開をするということでこの間、進めてきた。現地との物理的な距離もある。それから仕組み上、東京電力を通じてであるとか、そういったこともある。なおかつ、その間の通信等が万全ではないと多々あり、まずはしっかりと官邸、原発周辺の放射線量は保安院から、それより周辺のところについては、文部科学省からさまざまなデータを公開させていただいている。

 そうした情報を政府として掌握して、整理をするという時間がもっとスピーディーにできたのではないかと思っている。ただ、入手した情報については、その都度適切に公開をする、元データを持っているところに公開をさせるということについては徹底的に指示をしてきたし、実行してきた。今後もそう進めていく。

 ――原子炉建屋の使用済み燃料とは別に、敷地内に6400本の核燃料があるとのこと。危険性について政府はどのように認識しているか。

 今朝の時点で報告を受けた限りでは、いまの段階で危険の生じている状況では必ずしもないのではないかということで、しっかりとモニターさせていただいている。現在のところ、水蒸気等の発生は見られていないというのは今朝ほどの報告。しっかりと温度等をウオッチして管理していかなければならない。

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